眼科の特訓 🔞

2025/12/25(木)
「指くん、そんなに怖がらなくて大丈夫だよ」 至近距離で、えまさんの甘い声がした。 黒板の文字が見えづらくなってやってきた眼科。そこで待っていたのは、白衣がまぶしい新人看護師のえまさんだった。 練習用の鏡越しに、彼女の指が僕のまぶたに触れる。 (近い……近すぎる!) 中二の僕にとって、女性の体温が伝わるこの距離は、もはや拷問に等しかった。

「指くん、ちょっと失礼するね。後ろから失礼します」

えまさんが僕の背後に回り込み、両脇からすっと腕を伸ばしてきた。まるで後ろから抱きしめられるような、二人羽織の体勢。

「ひゃ、はいっ……!」

驚いて背筋を伸ばした瞬間、背中に「ふわっ」と柔らかい重みが当たった。 密着した背中から伝わる、えまさんの体温。僕の耳元で、彼女の呼吸が小さく弾む。

「あはは、そんなに緊張しないで。私の手に、指くんの指を重ねてみて」

彼女の白くて細い指が、僕の手を包み込む。 鏡の中では、新人のえまさんが一生懸命に僕の目元を覗き込んでいた。でも、僕の意識はもう目元にはなかった。

背中に感じる圧倒的な『女の子』の感触。 そして、情けないことに、僕の股間は最悪なタイミングで「起立」を始めていた。

(やばい……これ、立ってるのがバレたら……人生終わる……っ!)

必死で別のことを考えようとするけれど、えまさんが動くたびに、背中の感触が形を変えて僕を責め立ててくる。

「……あれ? 指くん、顔真っ赤だよ? もしかして気分悪い?」

背中越しにえまさんの声が聞こえたかと思うと、彼女はさらに密着を強め、横から僕の顔を覗き込んできた。

「ひゃいっ!? い、いや、大丈夫ですっ、全然っ!」

必死に声を裏返しながら否定するけれど、えまさんは心配そうに眉を下げて、空いている左手を僕の首筋にそっと添えた。ひんやりとした彼女の手のひらが、熱くなった肌に心地いい……なんて思っている場合じゃない。

「うわ、すごい熱い。……ちょっと失礼するね」

えまさんが僕の肩に顎を乗せるような形で、ぐいっと顔を近づけてくる。 彼女の長いまつ毛がはっきりと見えるほどの至近距離。甘い香りが肺いっぱいに流れ込んできて、僕の理性はもう限界だった。

――さらに最悪なことに。

顔を覗き込もうと彼女が身を乗り出したせいで、背中に押し当てられた『それ』の弾力がいっそう増した。

(……っ!! 待って、これ以上は本当にダメだ……!)

ズボンの布地が、限界まで膨張した僕の「分身」を締め付ける。 えまさんは僕の異変に気づく様子もなく、「うーん、熱はないみたいだけど……あ、もしかしてコンタクトが怖かったかな?」と、優しく微笑んでいる。

その無防備な笑顔が、今の僕にはどんな武器よりも凶暴だった。

「あ、ごめんね。コンタクトの保存液、あっちに置いちゃった」

そう言って、えまさんは僕を背後から抱きしめるような体勢のまま、さらにぐいっと身を乗り出した。 目の前に、彼女の白い二の腕が伸びる。背中に押し付けられた胸の感触が、もう「柔らかい」なんてレベルを越えて、僕の全身に電気を流していた。

(だ、だめだ……もう、頭が真っ白に……っ!)

その時だった。 指導用の不安定な丸椅子が、ガタッと小さく音を立てて滑った。

「わっ、とと……!」

バランスを崩したえまさんが、とっさに体を支えようと手を伸ばす。 ――その手が、あろうことか、僕の股間の「それ」を、上からそっと、でも確実に、むにゅっと包み込むような形で着地した。

「…………っ!!???」

脳内で何かが激しく弾ける音がした。

「ふ、ひゃうああっ……!!」

男子中学生として、いや、人間として出してはいけないような、裏返った妙な声が喉の奥から漏れ出した。

「えっ? 指くん、どうしたの!? どこか痛かった……?」

えまさんは驚いて僕の顔を覗き込むが、その手はまだ、僕の最も熱く硬くなっている場所に触れたままだ。 彼女の柔らかい手のひらを通して、ドクドクと暴れる心臓の鼓動が向こうまで伝わってしまうんじゃないかと、僕は恐怖と快感で気絶しそうになる。

鏡の中の僕は、まるで茹で上がったタコのように真っ赤で、目は白目を剥きかけていた。

「……あ、ごめんね指くん! びっくりさせちゃった?」

えまさんは、僕の股間をしっかりと「むにゅっ」と掴んだまま、悪びれもせずに手を離した。 彼女にとって、今の感触はただ『バランスを崩して、患者さんの体に触れてしまった』だけのことらしい。

「あ、い、いえ……大丈夫、です……」

僕は魂が口から半分飛び出した状態で、かろうじてそれだけを絞り出した。 股間にはまだ、彼女の手のひらの柔らかい感触と、熱がじっとりと残っている。僕の「分身」は、あまりの衝撃にさらに存在感を主張し始めていた。

「変なところ触っちゃったよね、痛くなかった? 男の人って、足の付け根とか結構デリケートだって研修で習ったから」

えまさんは首を傾げながら、まるで「肩を叩いちゃった」くらいのトーンで微笑んでいる。 研修で習ったのは、多分そういう意味じゃない。

「さあ、気を取り直して! もう一度やってみようか。次は自分だけでレンズを乗せてみて。私が後ろからしっかり支えてるからね」

何もなかったかのように、えまさんは再び僕の背中にぴたりと胸を押し当て、二人羽織の体勢に戻った。

(う、嘘だろ……。あんなに、あんなにハッキリ触ったのに、スルー!?)

彼女の純粋すぎる瞳に、僕の汚れた煩悩が反射している気がして、情けなくて涙が出そうになる。 しかも、背中の感触はさっきより強くなっている気がする。

「ほら、指くん。鏡を見て? まぶたをもっとぐいっと広げて」

彼女の吐息が耳にかかる。 僕の股間は依然として「直立不動」の緊急事態だ。

このまま練習が終わるまで、僕の理性が持つのか。それとも、この至近距離で「異変」がえまさんにバレて、僕の人生が幕を閉じるのか。

どっちに転んでも地獄だと思いながら、僕は震える指先で、青いコンタクトレンズを自分の目に近づけた。

「……ふう、お疲れ様。なんとか入ったね、指くん!」

ついにコンタクトの装着に成功し、えまさんはパッと僕から離れた。背中の重みが消えて、少しだけ冷たい空気が入り込む。 でも、僕の「分身」はまだ全く落ち着く気配がない。

「あ、はい……ありがとうございました……っ」

僕は椅子に座ったまま、猫背になって必死に股間を隠した。早くここを立ち去りたい。でも、今立ち上がったら、すべてが丸見えになってしまう。

「……ん? 指くん、やっぱりおかしいよ。さっきより顔が赤くなってるし、汗もすごい」

えまさんが心配そうに、僕の顔を覗き込んできた。彼女の大きな瞳が、至近距離で僕をスキャンする。

「え、いや、これは……その、部屋がちょっと暑いだけで……」 「ダメだよ、無理しちゃ。もし院内で倒れたりしたら私の責任なんだから」

えまさんは僕の手を強引に(でも優しく)引き、すぐ横にあるパーテーションの奥へと僕を促した。そこには、一台の診察用ベッドがあった。

「ほら、ここで横になって。少し休めば落ち着くから。ね?」

(横になる!? 仰向けになるなんて、そんなの、テント張ってるのがバレる確定じゃないか!!)

必死に抵抗しようとしたけれど、新人看護師としての使命感に燃えるえまさんの力は意外と強かった。 僕は半ば押し切られる形で、シーツの敷かれたベッドに体を預けることになった。

「ベルト、きつくない? 少し緩めた方が楽になるよ」

「ひゃっ!? い、いいです! 大丈夫です、自分でやりますから!!」

えまさんの手が僕の腰元に伸びてきて、僕は飛び上がる思いでそれを制止した。

「もう、遠慮しなくていいのに。……じゃあ、ちょっと脈を測るね」

えまさんはベッドの横の丸椅子に座り、僕の手首を取った。 そして、様子を見るために僕の体に覆いかぶさるような姿勢で顔を近づけてくる。 カーテンに仕切られた狭い空間。二人きりの沈黙。

――その時、えまさんの視線が、ふと僕の「腰のあたり」に落ちた。

「……あれ? 指くん、ここ……」

えまさんの動きが止まった。彼女の視線は、僕のズボンの股間あたり――天高くそびえ立つ「それ」に釘付けになっている。

(終わった。僕の中学生活、ここで終わった……!)

絶望に白目を剥く僕をよそに、えまさんは不思議そうに首を傾げた。

「すごく、ドクドクしてる。……ねえ、指くん。もしかして心臓、ここにあるの?」

「は、はいぃっ!? し、心臓!? いや、そんなバカな……っ!」

僕の必死の否定も、今の彼女には届かない。えまさんは「放っておけない」という顔をして、あろうことか、その白くて柔らかい手を、僕の膨らみの頂点にそっと置いた。

「ひゃ、あああああっ!!??」

喉の奥から変な鳴き声が出た。 布地越しに伝わる、彼女の体温と手のひらの柔らかさ。指先が、僕の「一番敏感なところ」を優しく、確認するように包み込む。

「うわっ、すごい……。手首の脈よりずっと速いよ? ほら、こんなに硬くなって……。指くん、もしかして筋肉が急激に痙攣(けいれん)してるのかも!」

えまさんは真剣そのものだ。彼女の中で、この「硬くてドクドク動くもの」は、未知の病気か異常事態として処理されているらしい。

「まっ、待ってくださいえまさん! それ、病気じゃなくて、その……!」

「静かにして! 今、ちゃんと異常がないか確かめるから」

そう言うと、えまさんはさらに顔を近づけ、両手で包み込むようにして「そこ」を優しくさすり始めた。 看護師としての「マッサージ」のつもりなのだろう。でも、僕にとってはただの「拷問(ごうもん)」でしかない。

「……おかしいな。さすっても柔らかくならないね。むしろ、もっと熱くなって……あ、また大きくなった?」

指先が、僕の「先端」をツンと突く。 脳内に真っ白な火花が散った。

「え、えまさん……もう、ダメ、です……。僕、爆発しそう……っ!!」

「あ、また熱くなった……! 指くん、大丈夫!? 今、もっとほぐしてあげるからね!」

えまさんの両手が、僕の股間の「分身」を優しく、かつ熱心に揉みほぐそうとした、その時だった。

シャーーッ!!

威勢のいい音を立てて、ベッドを囲んでいたカーテンが乱暴に開け放たれた。

「ちょっと、えまさん! 次の患者さんが……って、あんた何やってんの!!?」

そこに立っていたのは、眉間に深いシワを寄せたベテラン看護師の佐藤さんだった。

現在の状況: 仰向けで悶絶する男子中学生。 その股間に両手を添え、顔を真っ赤にして跨らんばかりに覆いかぶさる新人看護師。

どこからどう見ても、完全にアウトな光景だった。

「あ、佐藤さん! 大変なんです、指くんのここ、心臓が移動してきたみたいで、すごく硬くドクドクしてて……!」

えまさんは必死の形相で、僕の「それ」を指差しながら報告した。 佐藤さんは一瞬、ゴミを見るような目で僕の股間とえまさんの顔を交互に見た後、深いため息をついた。

「……えまさん。あんた、看護学校で何を学んできたの」 「えっ?」 「それは心臓じゃないわよ。……男子中学生の、ただの『元気な証拠』!」

「え……? 元気な……証拠……?」

えまさんはキョトンとして、自分の両手と、僕のズボンの膨らみを見つめ直した。 5秒ほどの沈黙。

「……あ」

ようやく、全てを理解したらしい。 えまさんの顔が、さっきまでの僕なんて比べ物にならないほど、耳の先まで真っ赤に染まっていく。

「ひゃ、ひゃあああああああああっ!!??」

彼女は弾かれたように僕から飛び退き、手元のトレイをひっくり返しながら脱兎のごとくカーテンの外へ逃げ去っていった。

残されたのは、静まり返った診察室。 股間を「テント」にしたままベッドに横たわる僕と、冷ややかな視線を送るベテラン看護師。

「……指くん、だったかしら。コンタクト、もう自分で入れられるわね?」 「……はい。……すみませんでした……」

僕は死ぬほど小さな声で答え、顔を両手で覆った。

――こうして、僕の「初めてのコンタクトレンズ」体験は、一生消えないトラウマと、わずかな(えまさんの手の)ぬくもりを残して幕を閉じた。

「……まったく、あの子は。後でお灸を据えておかないとね」

佐藤さんは、逃げていったえまさんの背中を見送ると、パチンとゴム手袋をはめ直した。その音が、静かな診察室に不気味に響く。

「あ、あの、佐藤さん……僕、もう帰りますから……っ!」

僕は真っ赤な顔のまま、這いずるようにベッドから逃げようとした。でも、佐藤さんの片手が僕の肩をがっしりと押さえつける。その力は驚くほど強く、逆らうことなんてできなかった。

「ダメよ。こんなにパンパンにして……放っておいたら、外を歩くのもままならないでしょ? コンタクトの指導は終わったけど、まだ『アフターケア』が残ってるわ」

佐藤さんの目が、眼鏡の奥で妖しく光った。彼女は手慣れた手つきで、再びカーテンをピッチリと閉める。

「え、アフターケア……? な、何を……」

「いいから、力を抜いて。えまみたいな素人じゃなくて、プロの私が『散らして』あげるから」

佐藤さんの手が、迷いなく僕のズボンのチャックに伸びた。えまさんの時のような戸惑いや躊躇は一切ない。

「ひゃっ……!?」

ズボンと下着が、一気に膝まで押し下げられる。 むき出しになった僕の「分身」は、冷たい空気に触れてさらにびくんと跳ねた。佐藤さんはそれをじっと見つめると、「ふーん……中二にしては、立派じゃない」と、事もなげに呟いた。

「さ、佐藤さん、やめて、ください……っ!」

「動かないで。すぐ終わらせてあげるから」

佐藤さんの、少しひんやりとした、でも滑らかな指先が僕の先端に触れた。 えまさんのふわふわした手つきとは違う。ポイントを正確に、逃げ場を塞ぐような、計算し尽くされた動き。

「あっ、あ、あああぁっ……!」

彼女が指を滑らせるたびに、脳を直接かき回されるような強烈な刺激が走る。 佐藤さんは僕の悶える姿を冷静に見つめながら、空いている手で僕の胸元を軽く押さえ、耳元で低く囁いた。

「ほら、えまの感触を思い出しなさい。あの子の柔らかい胸が、背中に当たってたんでしょ? そのまま……出しちゃいなさい」

その言葉が引き金になった。 えまさんの温もりと、目の前の佐藤さんの容赦ないテクニック。二人の看護師に翻弄された僕の限界は、もうとっくに越えていた。

「……っ!! で、出る、出ますっ……!!」

「いいわよ、全部出しなさい」

ギュッと力強く握り込まれた瞬間、視界が真っ白に弾けた。 何もかもが吐き出され、シーツの上に僕の「幼さ」が散らばる。

激しい鼓動だけが響く診察室で、佐藤さんは事もなげにティッシュを数枚抜き取ると、僕の汚れをテキパキと拭き取った。

「はい、お掃除終了。……これでスッキリしたでしょ? さっさと服を着て、帰りなさい」

彼女は再び無機質な「ベテラン看護師」の顔に戻り、ゴミ箱にティッシュを捨てた。

僕はガタガタと震える足で、なんとかズボンを履き直した。 鏡に映る自分の顔は、さっきまでとは違う、何か大事なものを失ったような、でもどこか晴れやかな、複雑すぎる表情をしていた。

あれから一週間。コンタクトの調子を確認するための定期検診の日がやってきた。 診察室のドアを開ける手が、自分でもわかるくらい震えている。

「……あ、指くん。いらっしゃい」

受付にいたのは、えまさんだった。 僕と目が合った瞬間、彼女の顔が「ボンッ」と音がしそうなほど真っ赤になる。彼女は慌てて手元の書類で顔を隠し、上目遣いで僕を見た。

「こ、この間は……その、本当にごめんなさい……! 私、全然知らなくて……」

蚊の鳴くような声で謝るえまさん。 彼女の頭の中では、あの時の「ドクドクする心臓」が何だったのか、佐藤さんにこっぴり教え込まれたに違いない。

「い、いえ……僕の方こそ、すみませんでした……」

二人の間に、言葉にできないほど濃厚で気まずい沈黙が流れる。 ――と、背後から「クスクス」という忍び笑いが聞こえた。

「あら、指くん。今日は元気そうじゃない? ……股間の方も」

佐藤さんだ。彼女はカルテを抱えながら、僕の腰のあたりをわざとらしく眺めてニヤリと笑った。

「さ、佐藤さん! もう、やめてくださいっ!」

えまさんが必死に抗議するけれど、佐藤さんはどこ吹く風で僕の肩を叩く。

「いいじゃない、若くて健康的な証拠よ。さあえまさん、今日は『二人羽織』しなくていいから、ちゃんと一人でコンタクトを着脱できるかチェックしてあげて。……カーテンの中で、ね?」

「も、もうっ!!」

えまさんは半泣きになりながら、僕を例の指導スペースへと案内した。

カーテンを閉めると、再び二人きりになる。 えまさんは鏡の前に座る僕の隣で、もじもじしながらレンズのケースを開けた。

「……指くん、あの後、大丈夫だった……? 佐藤さんに、何かひどいことされなかった?」

心配そうに覗き込んでくるえまさん。彼女は佐藤さんが僕に何を「処置」したのか、正確には知らないらしい。

「え、ええ……まあ、スッキリ……じゃなくて、普通に落ち着きましたから」

「よかった……。私、本当に看護師失格だよね。患者さんが……あんなに、困ってたのに」

そう言って僕の手をそっと握るえまさん。その手は、一週間前と同じように柔らかくて温かかった。 でも、今の僕にはわかる。 彼女のこの「無自覚な優しさ」こそが、僕にとって最大の毒であり、快楽なのだ。

「……指くん、目、見せて?」

彼女の顔が近づく。 一週間前よりもずっと、彼女の吐息が熱く感じられた。

「……ねえ、指くん。私、考えたの」

コンタクトのチェックが終わった後、えまさんが声を潜めて僕に言った。カーテンの向こう側では佐藤さんが忙しそうに動いている音がするけれど、この狭い空間は僕とえまさんだけのものだ。

「私、看護師としてもっと男の人の体のこと、知っておかなきゃいけないと思うの。……じゃないと、また指くんを困らせちゃうから」

えまさんの瞳はどこまでも真っ直ぐで、一点の曇りもない。それが逆に恐ろしい。

「だから……これから検診のたびに、少しだけ『お勉強』に付き合ってくれないかな? 佐藤さんにも、許可は取ってあるから」

(佐藤さん、何て許可を出したんだ……!?)

驚く僕の返事を待たず、えまさんは僕を再びベッドの方へと促した。

「今日は……その、この間の『筋肉の痙攣(けいれん)』が、どうして起きるのか、近くで観察させてほしいの」

えまさんはそう言って、診察用のペンライトとメモ帳を取り出した。 僕は抵抗する間もなく、再び仰向けに寝かされる。

「じゃあ……失礼します」

彼女の震える指先が、僕のズボンのベルトに掛かる。 カチリ、という金具の音が、静かな空間にやけに大きく響いた。

「あ、あの……えまさん、本当にやるんですか?」 「……うん。これも、指くんをちゃんとケアできるようになるためだもん」

ズボンが下ろされ、再び「それ」が姿を現す。 先週、佐藤さんに絞り尽くされたはずなのに、えまさんの顔が近づいてくるだけで、僕の体は裏切り者のように熱を帯びていく。

えまさんはペンライトを点け、顔を極限まで近づけて、僕の「分身」をじっと見つめた。

「……やっぱり、不思議。さっきまであんなに小さかったのに、もうこんなに硬くなって……。ねえ、指くん。今、どんな気持ち? どこが一番……『ドクドク』してる?」

彼女はメモを取るふりをして、空いた手で僕の先端をツンと突いた。

「っ、あ……っ!」

「ふふ、ここかな? 記録……『刺激に対して、即座に反応あり』……。もっと詳しく調べなきゃ」

えまさんは少しだけ大胆な笑みを浮かべ、今度は舌先で唇を湿らせた。

それは、看護師としての探究心なのか、それとも彼女の中に眠っていた「女」の目覚めなのか。 どちらにせよ、指くんの「中学2年生の日常」が、この清潔な匂いのする診察室で完全に壊されていく音がした。

「あ、ああっ……えまさん、そこ、は……っ!」

えまさんの不器用ながらも必死な「観察」は、いつの間にか熱を帯びた愛撫へと変わっていた。彼女の白衣のボタンはいくつか外れ、僕の顔のすぐ横には、彼女の柔らかな胸の膨らみが押し当てられている。

互いの荒い吐息が混ざり合い、診察室の温度が異常に跳ね上がったその時。

シャーーッ!!

またしても、容赦ない音を立ててカーテンが開かれた。

「ちょっと! いつまで観察してるのよ。全然進んでないじゃない」

「さ、佐藤さん……っ!?」

飛び退こうとするえまさんの腰を、佐藤さんが後ろからガシッと掴んで固定した。

「逃げないの。あんた、さっき『ちゃんとケアできるようになりたい』って言ったでしょ? 教科書だけじゃ分からない、本当の『看護』を教えてあげるわよ」

佐藤さんはニヤリと笑うと、えまさんのスカートのホックに手をかけた。

「えっ、あ、あの、ここで……!? 指くんの前で……っ」 「当たり前でしょ。相手がいないと実習にならないじゃない。ほら、指くんも。いつまで呆けてるの。あんたの出番よ」

佐藤さんの有無を言わせぬプレッシャーに、僕もえまさんも、蛇に睨まれた蛙のように固まるしかない。

「えまさんは初めて。指くんも初めて。……いいわ、私が『連結』までガイドしてあげる。指くん、えまさんのここを支えて。そう、そのままゆっくり……」

佐藤さんの冷徹な、しかし確かなリードが始まる。 彼女はえまさんの体を僕の上に導き、僕の震える腰を両手でしっかりと固定した。

「……指くん、怖いよ……でも、私……」

えまさんの瞳には涙が浮かんでいたけれど、その奥には僕を受け入れようとする強い意志があった。

「……準備はいい? 二人とも、一回しか言わないからよく見てなさい」

佐藤さんの合図とともに、僕の「幼さ」とえまさんの「純潔」が、重なり合う。

「……っ!!」 「あ、ぁああ……っ!」

痛みに似た衝撃と、それを塗りつぶすような圧倒的な熱量。 佐藤さんは二人の肩に手を置き、まるで完璧なオペを完遂させる執刀医のような冷徹な声で囁いた。

「……おめでとう。これで二人とも、ようやく『一人前』の入り口ね」

消毒液の匂いが漂う診察室。 ベテラン看護師の監視下という異常な状況で、僕とえまさんは、一生消えることのない「秘密の刻印」を深く刻み合った。

「……ふぅ。えまさん、今の感じ、ちゃんと見てた? これが『結合』の基礎よ」

佐藤さんは、僕の上で呆然としているえまさんの肩を叩き、強引に横へ退かせた。 連結を解かれた喪失感と、初めての経験による脱力感で、僕は指一本動かせない。

「さ、佐藤さん……? もう、指くん限界ですよ、それに私……」

えまさんが震える声で抗議するが、佐藤さんは既に自分の白衣のボタンを鮮やかな手つきで外していた。

「甘いわね。男の子の回復力を舐めちゃダメ。……ほら、指くん。まだ『それ』、全然やる気を失ってないじゃない」

佐藤さんの冷たい指先が、僕の胸元を這う。 彼女は驚くほど滑らかな動作で、僕の上に跨った。えまさんの初々しい重みとは違う、熟練した大人の女性の重厚な存在感が、僕の全身を支配する。

「え、えまさん……助けて……っ」

僕は助けを求めて横を見た。そこには、シーツを握りしめ、顔を真っ赤にしながらも、一点を見つめて目を離せないでいるえまさんがいた。

「……だ、ダメだよ、佐藤さん。……でも、……見なきゃ。私、もっと勉強しなきゃ……」

えまさんの瞳は、嫌悪感よりも、未知の領域への好奇心と独占欲が混ざったような、妖しい光を放っている。彼女は唾を飲み込み、僕と佐藤さんが重なり合う様を、一秒たりとも見逃すまいと凝視していた。

「いい目ね、えまさん。……じゃあ、教えるわ。さっきのあんたの動きじゃ足りなかった、本当の『揺さぶり方』を」

佐藤さんが腰を落とす。

「っ、ぁ……あああああぁぁっ!!!」

衝撃。えまさんの時とは比較にならない、経験に裏打ちされた圧倒的な「技術」が僕を襲った。

「ほら、見てなさいえまさん。ここ、こう動かすと、この子はこういう声を出すのよ」

佐藤さんは僕を弄びながら、解説するようにえまさんに微笑みかける。 僕はもはや声にならない叫びを上げ、背中を大きく反らせた。

視線の先には、僕の悶える姿を見て、自分自身の体を抱きしめるように震えているえまさんの姿があった。

清潔なはずの診察室は、いまや一人の少年と、二人の看護師による、濃密で倒錯した「実習室」へと完全に変貌していた。
診察室には、甘ったるい熱気と、激しい実習の余韻だけが残っていた。 ベッドに力なく横たわり、天井を仰いでいる僕の横で、二人の看護師は手際よく身なりを整えていた。

「……さて。えまさん、今の『特別講習』、しっかり目に焼き付けたかしら?」

佐藤さんは乱れた髪を指先で整えながら、凛とした声で問いかけた。 えまさんは、まだ頬に赤みを残し、少し潤んだ瞳で僕を見つめながら、力強く頷いた。

「はい、佐藤さん。……私、分かりました。教科書だけじゃ、指くんを本当の意味で『ケア』することはできないって」

えまさんの視線には、先ほどまでの迷いがない。むしろ、僕という「患者」を独占的に、かつ徹底的に管理しようとする、ある種の覚悟のようなものが宿っていた。

「いい返事ね。じゃあ、決めましょう。この子の視力維持と、心身の健全な(?)発育。これからは私たちが共同で管理していくわよ」

「はい! 私、指くんのために……もっと、実技を磨きます!」

佐藤さんは満足げに頷くと、カルテに何やらサラサラと書き込んだ。

「指くん。あんたの検診、これから週に一回……いえ、週に二回に増やしておくわね。もちろん、今日みたいな『アフターケア』も含めた、特別メニューよ」

「えっ……週に二回……?」

僕は絶望と、抗えない期待の混ざった声を漏らした。 佐藤さんの冷徹なテクニックと、えまさんの無自覚で一生懸命な愛撫。それを週に二回も繰り返されたら、僕の心も体も、どうにかなってしまう。

「指くん、楽しみにしててね。私、次までに佐藤さんに教わったこと、もっと練習しておくから」

えまさんが僕の手にそっと触れ、耳元で優しく囁いた。その声は、天使のようでもあり、僕を奈落へ引きずり込む悪魔のようでもあった。

「……あ、ありがとうございます……っ」

二人の看護師に見守られ(監視され)ながら、僕の新しい「通院生活」が幕を開けた。

窓の外には、何も知らない夕暮れの街が広がっている。 でも、この診察室の中だけは、世界で一番濃密で、逃げ場のない「楽園」だった。


           完