暴発の代償 🔞

2026/01/06(火)
第一章 巨大な障害物

  俺の部屋には、巨大な障害物がある。
 近所に住む幼馴染のエマ姉(二十二歳)だ。
「ちょっ、そこ! 右だってば! あーもう、じれったいなぁ!」
 俺のベッドを占領して漫画を読んでいたかと思えば、エマ姉は俺の手元を覗き込んで文句を垂れ始めた。
「うるさいな、今いいとこなんだよ」
「貸して! お姉さんが手本見せてあげるから!」
「わ、やめろよバカ!」
 抵抗しようとした、その時だった。
 強引にコントローラーを奪おうとしたエマ姉が、俺の背後から覆いかぶさってくる。
 ぐにゅり。
 背中に、ありえないほど柔らかい感触が押し付けられた。
「……っ!?」
 俺の身体がカチコチに固まる。
 これは、マズい。絶対にマズい。
 薄いTシャツ越しでも分かる、あきらかな弾力。昔はただの近所のうるさい姉ちゃんだと思っていたのに、今の彼女は完全に「大人の女性」の身体つきをしている。
「ほら、ここを連打するのよ!」
 エマ姉が興奮して身を乗り出すたびに、背中の感触が形を変えて俺を攻め立てる。
(あたって……る。絶対あたってる……!)
 耳元からは、ふわりと甘いシャンプーの香りが漂ってきた。
 心臓の音がうるさすぎて、ゲームのBGMなんて聞こえない。
 頼むから早く離れてくれ。じゃないと、俺の理性が――。
「やったー! 倒したー!」
 俺の葛藤など露知らず、エマ姉は無邪気に俺の首に抱きついてきた。
「あーもう! だからそこじゃないってば!」
 エマ姉の声が耳元で弾けるのと同時に、背中に掛かる重みが劇的に増した。
 ぐにゅぅぅ、と。
 先ほどとは比にならない、暴力的なまでの圧力が俺の背中を蹂躙する。
「ちょ、エマ姉、ちか……っ」
「黙って見てなさいよ! お姉さんがクリアしてやるから!」
 抗議の声を上げようとした俺は、言葉を喉の奥で詰まらせた。
 近い、なんてものではない。
 興奮した彼女が身を乗り出すたびに、薄いキャミソール一枚越しにある豊満な果実が、俺の背骨のラインに合わせて形を変え、押し潰されているのが分かってしまう。
 
 酷く生々しいのは、その「熱」だ。
 風呂上がりなのか、それともゲームに熱中しているせいか。張り付くような肌の湿り気と体温が、薄布を通して俺の背中にじっとりと伝わってくる。
 動くたびに、衣擦れの音と共に背中を這い回る二つの膨らみ。
 その先端の突起が、コリりと背中に擦れたような気さえして、俺の脳髄はショート寸前だった。
(嘘だろ……これ、下着着けてないのか……!?)
 俺が硬直していることなどお構いなしに、エマ姉は「いけっ! そこで必殺技!」と叫びながら、さらに俺の肩に腕を回してくる。
 その拍子に、彼女の襟元がだらりと垂れ下がった。
 俺の視線の先、無防備に晒された胸元の谷間には、大人の女性特有の汗が真珠のように光っていて――。
 甘ったるい匂いが、熱気と共に肺を満たしていく。
「んんっ……! ほら、もうちょっと!」
 彼女がコントローラーを操作しようと体を捻る。
 その摩擦で、俺の背中にある柔らかい塊が、むにゅん、むにゅんと音を立てて波打った。
 限界だ。これ以上は、俺の理性が弾け飛ぶ。

第2章 暴発寸前の攻防

 「あ、あとちょっと! いけっ、いけえええ!」
 エマ姉の絶叫とともに、画面の中のボスキャラクターが轟音を上げて崩れ落ちた。
「やったああああ! 倒した! 見た!? 今の見た!?」
 クリアした歓喜のあまり、彼女はさらに強く俺の首に腕を回し、全体重を預けてギュウギュウと抱きついてきた。
 それが俺にとってのトドメだった。
 背中で潰れる柔らかい果実の感触が、限界を超えて弾ける。
「んぐっ……!」
 俺の口から、情けないうめき声が漏れた。
 マズい。完全にマズい。
 下半身に熱い血流が一気に集まり、ズボンの股間部分がこれ以上ないほど窮屈になっている。
 こんな状態で彼女に触れられ続けていたら、間違いなく――バレる。
「……ねえ、なんか私、すごく汗かいちゃったかも」
 興奮が冷めやらぬまま、エマ姉が耳元で囁く。
 荒い呼吸が首筋にかかり、ぞくりと背筋が震えた。
「あ、暑いから……ちょっと離れてくれよ」
 俺は必死に声を絞り出す。
 だが、俺が身じろぎしたせいで、皮肉にも事態は悪化した。
「えー? 照れてんの? 可愛いとこあるじゃん」
 からかうように彼女が身体を擦り寄せてきた、その瞬間だ。
 俺の腰のあたりで、カチコチに硬くなった「ソレ」に、エマ姉の太ももがこつんと当たった。
「――ん?」
 エマ姉の動きがピタリと止まる。
「なんか今、硬いもの当たったけど……ポケットにスマホ入れてる?」
 無邪気すぎる問いかけ。
 俺の心臓は早鐘を打ち、冷や汗がドッと吹き出した。スマホなんて机の上に置いてある。
「い、いや! 何でもない! 足が痺れただけだっ!」
 俺はバネ仕掛けのように弾かれて立ち上がろうとした。
 しかし、それは悪手だった。
 急に動いたせいで、俺のズボンのテントが、座ったままのエマ姉の目の前に晒されそうになる。
「うわっ、危ない!」
 バランスを崩した俺を支えようとして、エマ姉の手が伸びる。
 その手が伸びた先は――俺の腰、もっと言えば、張り詰めた股間のすぐそばだった。
「あっ――」
 柔らかい掌が、俺の太ももの内側、際どいラインを掠める。
 布越しに伝わる熱と、指先の感触。
 時が止まったような沈黙が、部屋に落ちた。

第3章 決壊と発覚
  
 その刺激は、限界ギリギリで保たれていた俺の理性を焼き切るには、あまりにも十分すぎた。
「っ、あ……ッ、だめ……ッ!」
 俺の口から、声にならない悲鳴が漏れる。
 視界が真っ白に弾けた。
 エマ姉の指先が太ももを掠めたその一瞬、身体の奥底に溜まっていた熱が、堰を切ったように暴発する。
 ビクン、と俺の身体が大きく跳ねた。
「えっ、ちょっ、なによ急に――」
 驚くエマ姉の声が遠くに聞こえる。
 自分の意思ではどうすることもできない。ズボンの内側で、熱くてドロリとしたものが脈打ちながら溢れ出し、下着を汚していく感覚だけが鮮明だった。
 全身の力が抜け、俺はその場に崩れ落ちるように膝をついた。
「ハァ……ッ、ハァ……ッ……」
 部屋には、俺の荒い息遣いだけが響く。
 終わってしまった。
 幼馴染のお姉さんの前で、あろうことか接触しただけで「してしまった」のだ。
 絶頂の余韻よりも、絶望的な敗北感と恥辱が俺を襲う。顔から火が出るほど熱い。俺は涙目になりながら、合わせる顔がなくてうつむいたまま震えていた。
「……大丈夫? どこか痛めたの?」
 エマ姉はまだ気づいていないのか、心配そうに俺の顔を覗き込んでくる。
 やめてくれ。見ないでくれ。
 今の俺は、きっと酷い顔をしている。目は虚ろで、頬は紅潮し、情事の後のような表情を晒しているはずだ。
「なんでも、ない……から……あっち行ってて……」
「何言ってるのよ。顔、真っ赤じゃない。熱でもあるんじゃ――」
 言いかけて、エマ姉の言葉がピタリと止まった。
 密室である俺の部屋。
 そこに、ゆっくりと、だが確実に**「あの匂い」**が充満し始めていたからだ。
 栗の花にも似た、独特の生臭い匂い。
 男なら誰でも知っている、そして大人の女性なら知らぬはずがない、生命の匂い。
「……ん? なにこの匂い……」
 エマ姉が鼻をひくつかせる。
 その瞬間、彼女の視線が俺の顔と、そして不自然に濡れて変色し始めたズボンの股間部分を行き来した。
 俺の、快感に緩んだままの締まりのない表情。
 そして、鼻をつく特有の香り。
 すべての点と点が繋がり、彼女の中で一つの「事実」として結実する。
「え……嘘……」
 エマ姉の声が裏返った。
 さっきまで余裕たっぷりだった彼女の顔が、みるみるうちに林檎のように赤く染まっていく。耳の先まで真っ赤だ。
「あ、あんた……もしかして、その……あたしで……?」
 震える声で紡がれた問いかけに、俺は何も答えられず、ただ絶望的な沈黙で肯定するしかなかった。
部屋を支配する沈黙は、永遠にも感じられた。
 俺は床にへたり込んだまま、羞恥心で全身が沸騰しそうだった。幼馴染のお姉さんの匂いと感触でイッてしまった。しかも、それがバレた。
 もう切腹して死にたい。
 だが、エマ姉は逃げ出さなかった。
 彼女は一度大きく深呼吸をすると、真っ赤に染まった顔を両手でパシン! と叩き、無理やりに「お姉さんの顔」を作ったのだ。
「……ま、まぁ! しょうがないわよね! 男子高校生だもんね! 元気があってよろしい!」
「エ、エマ姉……?」
「ほら、いつまでもそんな格好してないの。……おばさん(俺の母)に見つかったら大変でしょ」
 声が裏返っているし、視線も泳いでいる。
 けれど彼女は、俺の机の上にあったボックスティッシュを鷲掴みにすると、あろうことか俺の股の間に膝をついて座り込んだ。
「動かないで。……拭いてあげるから」
「は!? い、いいよ自分でやるよ!」
「いいから! あんた手が震えてるじゃない!」
 エマ姉は半ば強引に俺の手を払いのけると、大量に引き出したティッシュを、俺のズボンの「惨状」に押し当てた。
「ひぅっ……!」
 敏感になっている場所に触れられ、俺は情けない声を上げる。
 ティッシュ越しとはいえ、エマ姉の指の形や、爪先が当たる感触がダイレクトに伝わってくる。
「……っ、すごい量……ぐしょぐしょじゃない」
 エマ姉が独り言のように呟く。
 白いティッシュが、俺の放出した熱い液体を吸い込み、みるみる透明に透けていく。
 彼女はその生々しいシミを、嫌がるどころか、どこか観察するように丁寧に拭き取っていくのだ。
「ご、ごめん……ほんと、ごめん……」
「謝らないでよ。……なんか、私がいじめたみたいになるじゃん」
 彼女の手が動くたびに、むせ返るような栗の花の匂いが舞い上がる。
 エマ姉の顔は、もう完熟トマトのように赤い。
 それでも彼女は作業をやめない。
 ズボンの生地越しに伝わる俺の体温と湿り気を、彼女の手のひらが確かめるように撫でていく。
「……ねえ」
 不意に、エマ姉の手が止まった。
 彼女はティッシュ越しに俺のモノを軽く握り込んだまま、潤んだ瞳で俺を見上げてくる。
「あたしのお尻……そんなに良かった?」
「ッ!?」
「こんなになるまで……我慢してたんだ」
 その言葉は、もはや弟に向けるものではなかった。
 好奇心と、優越感と、そして微かな欲情が混ざった「女の顔」。
 彼女の指先が、まだ熱を持っている俺の先端を、愛おしそうにクニりと弄んだ。

第4章 秘密の洗濯

 「……ダメ、これじゃ落ちないわ」
 何度かティッシュで拭き取ろうとしたエマ姉だったが、諦めたように深い溜息をついた。
 すでに俺の放出物はズボンの繊維の奥まで染み込んでいて、表面を拭ったくらいではどうにもならない。濡れたシミは、むしろ無残に広がっていた。
「脱ぎなさい」
「……え?」
「聞こえなかった? 脱ぎなさいって言ってるの」
 エマ姉の声は震えていたが、そこには妙に有無を言わせない強制力があった。
「お、おばさんが帰ってくる前に洗濯して乾かさないと、バレるでしょ。……あんた、自分の母親にそのシミの理由、説明できるわけ?」
「それは……無理、だけど」
「だったら早くして!」
 エマ姉は俺の返事を待たず、俺のベルトに手を掛けた。
 カチャリ、と金属音が部屋に響く。
 まるで処刑の合図のようだった。
「ちょ、自分でやるって!」
「うるさい、じっとしてて!」
 抵抗しようとする俺の手を、彼女はパシンと叩き落とす。
 ファスナーが下ろされる音が、やけに大きく聞こえた。
 俺はされるがまま、赤子のようにズボンを引きずり下ろされる。
 涼しい空気が下半身に触れたのと同時に、俺の最も恥ずかしい部分――ぐしょぐしょに汚れたボクサーパンツが、白日の下に晒された。
「うわ……」
 ズボンを足首まで下ろしたところで、エマ姉の動きが止まった。
 目の前にある現実。
 俺のパンツは、先端部分を中心に濃い色に変色し、重たげに湿っている。
 そして何より、事ごに及んだばかりの俺のモノは、まだ完全には萎えきっておらず、下着の中で半端な存在感を主張していた。
「……すごい匂い」
 遮るものがなくなったせいで、あの生臭い匂いが直接彼女の鼻腔をくすぐる。
 エマ姉は顔を背けるどころか、まるで魅入られたように、俺の汚れた下着を凝視していた。
 ゴクリ、と彼女の喉が鳴る音が聞こえる。
「パンツも、脱いで」
「エマ姉、さすがにそれは――」
「バカ言わないでよ。それが一番汚れてるんじゃない。……ほら、足上げて」
 もう、俺に拒否権はなかった。
 言われるがままに片足ずつ上げると、エマ姉の手によって、最後の砦である下着すらも剥ぎ取られていく。
 湿った下着が、ずるりと足先から抜き取られる。
 その瞬間、俺の下半身は完全に無防備な姿で、エマ姉の目の前に晒された。

 エマ姉の唇から、短い吐息が漏れる。
 隠すものはもう何もない。
 事後でまだ熱を持ち、赤黒く充血している俺の分身が、ぷるりと頼りなく揺れた。
 彼女の視線はそこに釘付けだった。
 今まで「弟」だと思っていた少年の、あまりにも雄々しい現実。その先端からは、まだ透明な液体がじわりと滲んでいる。
「……こんなに、なってたんだ」
 エマ姉は汚れたパンツとズボンを抱きしめたまま、熱に浮かされたような瞳で俺を見つめた。
 その顔は、羞恥で真っ赤に染まっているのに、どこか獲物を見定めた雌のようにも見えた。
 部屋に充満する栗の花の匂いが、二人の脳を麻痺させていく。
「待ってて。……お風呂場で、手洗いしてくるから」
「エ、エマ姉……」
「あと、あんたも……」
 彼女は一度言葉を切ると、視線を俺の股間から顔へとゆっくり這い上がらせ、少しだけ口角を上げて艶やかに微笑んだ。
「キレイにしてきなさいよ? ……続き、したいなら」
 言うが早いか、彼女は俺の汚れた下着を持って部屋を出ていった。
 パタン、とドアが閉まる。
 残されたのは、下半身を露出したままの俺と、強烈な残り香。
 そして、彼女が最後に残した爆弾のような一言だけが、俺の耳の奥でいつまでも反響していた。

第5章 浴室での情事
 
  言われた通り、俺はシャワーを浴びていた。
 冷水を浴びても、身体の火照りは全く引かなかった。むしろ、さっき見たエマ姉の欲情した瞳が脳裏に焼き付いて離れない。
 あんなことを言われて、期待するなという方が無理だ。
 ガラリ。
 不意に、浴室の扉が開いた。
「え……?」
 振り返った俺の視界に、信じられない光景が飛び込んでくる。
 湯気の中に立っていたのは、一糸まとわぬ姿のエマ姉だった。
 豊かな胸、くびれた腰、そして白く輝く太もも。隠すものは何もない。彼女は恥じらいに頬を染めながらも、決意を秘めた瞳で俺を見据えていた。
「背中……流してあげるって言ったでしょ」
「エマ姉、それって……」
「黙ってて」
狭いユニットバスの中は、白い湯気で満たされていた。
 シャワーの音が、外の世界との繋がりを断ち切る雨音のように響く。
「……目は、開けてて」
 エマ姉の濡れた指先が、俺の頬を滑り落ちた。
 石鹸の泡よりも滑らかで、お湯よりも熱い彼女の肌が、俺の全身に絡みついてくる。
 洗いっこをする、なんて建前は、もうとっくに消え失せていた。
 俺たちは狭い浴槽の中で、互いの存在を確かめ合うように抱き合っていた。
 彼女の豊かな胸が、俺の胸板に押し付けられ、心臓の鼓動が直接伝わってくる。
 トクン、トクン、と早まるリズムは、俺のものか、彼女のものか、もう分からない。
「んっ……ふぅ……」
 熱い吐息が、俺の首筋にかかる。
 彼女が動くたびに、お湯がちゃぷんと音を立て、肌と肌が擦れ合う水音が狭い空間に反響した。
 その音はあまりに猥雑で、俺の理性を根こそぎ奪っていく。
「ねえ……もう、子供じゃないんでしょ?」
 潤んだ瞳が、至近距離で俺を射抜く。
 その問いかけの意味を理解した瞬間、俺の中で何かが切れた。
 俺は震える手で、彼女の腰を引き寄せた。
 抵抗はない。むしろ彼女は、自ら俺を受け入れるように、しなやかな脚を俺の腰に絡めてきた。
「……っ!」
 世界が反転した。
 俺の最も熱い部分が、彼女の秘められた熱源へと導かれていく。
 そこは、想像を絶するほど柔らかく、そして全てを溶かすほどに熱かった。
「あ……っ、んんっ……!」
 エマ姉が背中を反らせ、俺の肩に爪を立てる。
 苦しげで、それでいて甘美な声が、湯気の中に吸い込まれていく。
 俺たちは一つになった。
 幼馴染という境界線が、音を立てて崩れ落ちる。
 包み込まれるような圧迫感と、脳髄を痺れさせる快楽。
 俺はただ、彼女という「大人の深淵」に沈んでいくことしかできなかった。
 激しくなる水音。重なる吐息。
 狭い浴室は、ただひたすらに熱く、俺たち二人だけの世界になっていった。

第6章 境界線が消えた夜
 
  部屋に戻った時には、窓の外はすっかり暗くなっていた。
 浴室での熱狂が嘘のように、部屋の空気はひんやりとしている。けれど、俺たちの身体だけが、まだ芯から熱を帯びていた。
「……あーあ。着替え、洗濯しちゃったから着るものないや」
 エマ姉は濡れた髪をバスタオルで拭きながら、悪戯っぽく笑った。
 彼女が身につけているのは、タンスから引っ張り出した俺のTシャツ一枚だけだ。
 サイズが大きすぎて、裾から伸びる太ももが露わになっている。その無防備な姿が、さっきまで俺たちが浴室で何をしていたのかを、強烈に思い出させた。
「……髪、乾かしてやるよ」
 俺は照れ隠しにドライヤーを手に取った。
「あら、優しい。ありがと」
 エマ姉がベッドの端に腰を下ろす。俺はその背後に立ち、湿った髪に指を通した。
 温風に乗って、シャンプーの香りと、もっと生々しい、俺と彼女が混ざり合ったような甘い匂いがふわりと舞い上がる。
 その匂いを嗅ぐだけで、身体の奥がまた疼きそうになった。
「ねえ」
 ドライヤーの音に紛れて、エマ姉がぽつりと呟く。
「……すごかったね」
「ッ……! バカ、言うなよ」
「ふふ。だって本当だもん。……あんなに激しくされるなんて、思わなかった」
 彼女は身体の力を抜いて、俺の股の間に背中を預けてきた。
 Tシャツ越しに伝わる背中の体温。
 さっきまで俺を受け入れていた身体の重み。
 首筋には、俺が夢中で吸い付いてしまった赤い痕が、薄っすらと残っている。
「もう……弟扱い、できないじゃん」
 彼女が顔だけを少し後ろに向けて、上目遣いで俺を見る。
 その瞳はとろんと潤んでいて、完全に「雌」の顔をしていた。
 俺の手が止まる。
 どちらからともなく、俺たちは唇を重ねた。
 それは浴室での貪るようなキスとは違う、互いの存在を確かめ合うような、深く、粘着質な口づけだった。
「……今日、おばさん帰ってくるの遅いんでしょ?」
 唇を離したエマ姉が、熱い息を俺の耳に吹き込む。
 
第7章 終わらない放課後
 
 「……うん。今日は残業で、遅くなるって」
 俺が掠れた声で答えると、エマ姉の目が妖しく細められた。
 ドライヤーのスイッチが切られ、部屋に静寂が戻る。
 けれど、その静けさは、さっきまでのどんな音よりも雄弁に俺たちの鼓動を伝えてきた。
「そっか。……じゃあ、まだたっぷり時間あるね」
 エマ姉はベッドの上でくるりと身体を反転させ、俺と向き合う体勢になった。
 その動作で、ダボついたTシャツの裾が大きく捲れ上がる。
 白い太ももが露わになり、その奥にある**「さっきまで俺が愛していた場所」**がチラリと見え隠れした。下着を履いていない事実は、どんな過激な下着姿よりも扇情的だった。
「……ッ」
 俺の視線がそこに吸い寄せられるのを、彼女は見逃さなかった。
「ふふ、正直だなぁ。……まだ、足りないんでしょ?」
 彼女の白魚のような手が、Tシャツの裾から這い出し、俺のズボンの上をゆっくりと撫で上げる。
 指先が熱を持った中心部をなぞるたびに、俺の背筋に電流のような痺れが走った。
 浴室であれだけ出したのに、彼女の匂いと感触を思い出しただけで、俺の身体は再び戦闘態勢に入ろうとしている。
「エマ姉、あんまり煽ると……」
「煽ってるのよ? ……だって、君のスイッチを入れる方法、もう分かっちゃったし」
 彼女は猫のようにしなやかに身を乗り出すと、俺の肩をドンと押し倒した。
 抗う気などさらさらない俺は、そのままベッドに仰向けに沈む。
 すぐに、俺の上にエマ姉が跨がってきた。
 Tシャツ一枚の彼女が、俺を見下ろしている。
 逆光になったその姿は、近所のお姉さんなんかじゃない。俺を骨の髄までしゃぶり尽くそうとする、淫らな女神だった。
「さっきは、あたしがリードしてあげたけど……」
 エマ姉がゆっくりと腰を沈めてくる。
 太ももの内側にある柔らかな熱が、俺の腰回りに密着した。
 布越しではない、肌と肌が直接触れ合う感触。
 ぬるりとした湿り気が、まだそこに残っているのを感じて、俺の理性のタガが完全に弾け飛んだ。
「今度は、君が好きにしていいよ」
「……後悔しても、知らないからな」
「望むところ。……高校生の体力、お姉さんに見せつけてみてよ」
 挑発的な唇を、俺は乱暴に塞いだ。
 俺の手がTシャツの中に滑り込み、火照った素肌を鷲掴みにする。
 夜はまだ、始まったばかりだった。
         (完)