引っ越し初日の夜、狭い社宅の玄関で、指(ゆび)は呆然と立ち尽くしていました。電球を買い忘れたため、薄暗い常夜灯の下で途方に暮れていると、不意に隣の部屋のドアが開く音が響きました。

「あら、真っ暗じゃない。もしかして、まだお買い物も済んでないの?」

声をかけてきたのは、隣室に住む佐伯さんでした。彼女は指が今まで出会ったことのないような、柔らかな雰囲気をまとった大人の女性でした。彼女は戸惑う指の腕をひょいと掴むと、当然のように自分の部屋へと招き入れます。

「うちの主人は今夜も遅いし、新人さんはしっかり食べないと体が持たないわよ。ほら、座って」

案内されたリビングには、自分ひとりの生活では考えられないほど豊かな香りが満ちていました。指は緊張のあまり膝の上に置いた拳を握りしめていましたが、佐伯さんはそんな彼を面白がるように、顔を覗き込んできます。彼女の髪から漂うシャンプーの香りが鼻をくすぐり、指の鼓動は一気に速まりました。

「指くんっていうのね。珍しい名前。……ねえ、そんなに固まらなくても取って食ったりしないわよ?それとも、私みたいな年上の女性は苦手かしら?」

悪戯っぽく微笑む彼女の視線に、指は「いえ、そんなことは……」としどろもどろになるばかりでした。佐伯さんは、指が女性に慣れていないことをすぐに見抜いたようで、それからは何かと理由をつけては彼を翻弄し始めます。


仕事で失敗して肩を落として帰れば、「反省会が必要ね」と言って自分の手料理を振る舞い、指が恐縮して遠慮しようとすると、「お姉さんの言うことが聞けないの?」と少しだけ困ったような顔をして彼を押し切ります。

ある雨の夜、ベランダに干しっぱなしにしていた洗濯物を取り込んでくれた彼女は、濡れた指のシャツを手に、彼の部屋までやってきました。

「お邪魔するわね。あら、指くんって意外と片付け上手なのね。でも、男の子の一人暮らしって、なんだか寂しそう」

そう言って、彼女は湿った空気を纏わせながら、指のすぐ隣のソファに腰を下ろしました。薄暗い室内で、彼女の体温が伝わってくるほどの距離。指が息を呑むと、彼女はわざとらしく首を傾けて、彼の耳元で囁きました。

「ねえ、指くん。奥さんでも彼女でもない私が、こんなに構いすぎるのは……迷惑?」

翻弄されていると分かっていても、指は抗うことができませんでした。彼女の指先が、彼の震える手にそっと重なった瞬間、初めての恋の熱が、静かな社宅の夜を溶かし始めていきました。

週末の土曜日、指は慣れない自炊に挑戦しようとしていましたが、包丁で指先を少し切ってしまい、絆創膏を探して右往左往していました。そこへ、回覧板を届けに来た佐伯さんが、開いたままのドアからひょっこりと顔を出しました。

「あらあら、大変。指くんは本当に目が離せないんだから」

彼女は手慣れた様子で指の手を引き、救急箱のあるリビングへと彼を誘導しました。ソファに座らされた指の目の前で、彼女は床に膝をつき、彼の傷ついた手をそっと両手で包み込みます。消毒液のひんやりとした感触と、彼女の温かい指先の対比に、指は心臓が口から飛び出しそうなほど激しく打ち鳴らされました。

「……あの、佐伯さん、自分でできますから」

赤面して手を引こうとする指でしたが、彼女はそれを許さず、少し力を込めて彼の手を握りしめました。そして、わざとらしく顔を近づけ、指の傷口をじっと見つめながら、いたずらっぽく上目遣いで彼を見上げます。

「だめよ、ちゃんと処置しないと。ほら、痛いの痛いの、飛んでいけ」

彼女はそう言って、指の傷口にそっと自分の唇を寄せる仕草をしました。実際に触れたわけではないのに、その吐息が肌にかかった瞬間、指の全身に電流が走ったような衝撃が突き抜けます。彼はあまりの恥ずかしさに声を失い、ただ耳まで真っ赤にして固まってしまいました。

佐伯さんはそんな彼のピュアな反応を存分に楽しむように、今度は彼の太ももにそっと手を置き、身を乗り出して耳元で囁きました。

「指くんって、もしかして女の子にこんなことされたの、初めて?……すごく可愛い反応するのね。もっといじめたくなっちゃうじゃない」

彼女の潤んだ瞳と、挑発的な微笑みが、至近距離で指を射抜きます。彼女の手が、スラックス越しにゆっくりと膝から上へと滑り上がってくると、指は「あ、あの……」と情けない声を漏らすのが精一杯でした。

「お隣さん同士なんだから、助け合うのは当然でしょ?それとも……私にこんなことされて、嫌だったかしら?」

彼女は指の胸元に顔を寄せ、シャツのボタンに指をかけながら、試すように視線を絡めてきます。その距離は、お互いの鼓動が重なり合うほどに縮まっていました。

季節外れの冷たい雨が降った数日後、指は慣れない一人暮らしと緊張の糸が切れたせいか、ひどい熱を出して寝込んでしまいました。節々の痛みと朦朧とする意識の中で、彼はただ薄い布団にくるまって震えていました。

そんな時、枕元で静かにドアが開く音がしました。てっきり夢かと思いましたが、冷たいおしぼりが額に置かれた瞬間、その心地よさに指はゆっくりと目を開けました。

「指くん、大丈夫?主人から聞いたわよ。会社で顔色が真っ青だったって」

そこには、心配そうに眉をひよせた佐伯さんの姿がありました。彼女は仕事へ行った夫から指の欠勤を聞きつけ、すぐに合鍵(いざという時のためにと預かっていたもの)を使って駆けつけてくれたのです。

「すみません……わざわざ……」

掠れた声で謝る指に、彼女は「いいのよ、今は余計なこと言わないの」と優しく微笑みました。彼女は手際よく、持参したお粥を小皿に取り分けると、指の体を支えて上半身を起こしてくれました。

「はい、あーんして」

子供をあやすような口調に、指は「恥ずかしいです、自分で食べられますから」と顔を赤くして抵抗しましたが、彼女はわざとらしく溜息をついて、スプーンを彼の唇にぴたりと寄せました。

「病人はお姉さんの言うことを聞く。ね?それとも、私が食べさせるのはお口に合わないかしら?」

そう言われては、拒む術はありません。指が観念して口を開くと、出汁の効いた優しい味が口の中に広がりました。数口食べ終えたところで、彼女はふといたずらっぽく目を細め、指の熱く火照った頬に自分の手のひらをぴたりと添えました。

「……あら、熱のせいだけじゃないみたいね。顔が真っ赤よ、指くん。もしかして、変なこと想像しちゃった?」

彼女の手のひらはひんやりと冷たくて心地よいはずなのに、触れられた場所から火がつくように熱が広がっていきます。佐伯さんは、指が動揺して視線を泳がせるのを見て楽しむように、今度は自分の額を、指の額にそっと押し当てました。

「こうして熱を測るのが一番正確なのよ?……ふふ、指くん、鼓動がここまで聞こえてきそう」

至近距離で見つめ合う形になり、彼女の吐息が熱に浮かされた指の肌に直接かかります。弱っている体には、彼女の香りと、その柔らかな微笑みはあまりにも刺激が強すぎました。

「佐伯さん……近いです……」

「近い方が、早く治るかもしれないわよ?」

彼女はそう囁くと、指を再び布団に寝かせ、今度は枕元に腰を下ろして彼の髪を優しく撫で始めました。

「今日は主人の帰りも遅いから、指くんが眠るまでずっとそばにいてあげる。……いいわよね?」

その声は甘く、どこか抗いがたい響きを持っていました。指は熱のせいか、それとも彼女のせいか分からないまま、深い意識の底へと引き込まれていくのを感じていました。

薬の作用で深い眠りに落ちていた指は、不意に肌をなでる不思議な感覚に意識を浮上させました。

微かな水の音と、清潔な石鹸の香り。重い瞼をゆっくりと持ち上げると、視界に入ってきたのは、ベッドの脇に腰掛けて真剣な表情でタオルを絞る佐伯さんの横顔でした。指がハッとして息を呑むと、彼女は彼が目覚めたことに気づき、優しく微笑みかけました。

「あら、起こしちゃったかしら。ごめんなさいね。でも、すごい汗だったから……。そのままにすると体が冷えて、また熱が上がっちゃうでしょ?」

指は自分の状態を確認しようとして、さらに固まりました。パジャマのボタンはすべて外され、胸元が大きくはだけていたのです。佐伯さんの手にある温かな蒸しタオルが、彼の鎖骨から胸板へとゆっくりと滑り降ろされます。

「あ、あの……佐伯さん、自分で……自分でやりますから!」

慌てて身をよじって隠そうとする指でしたが、熱で力が入らない腕は、彼女の柔らかな手に軽く押さえ込まれてしまいました。

「だめよ、大人しくして。まだフラフラするでしょう? 恥ずかしがることなんてないわ。私にとっては、指くんは手のかかる弟みたいなものなんだから」

彼女はそう言いながら、今度は腹部へとタオルを滑らせました。熱に浮かされた肌に、湿ったタオルの熱がじわりと伝わります。しかし、それ以上に指を動揺させたのは、彼を見つめる彼女の瞳に宿った、先ほどまでとは違う熱っぽい光でした。

彼女の指先が、タオルの上からわざとなぞるようにゆっくりと動き、指の敏感な場所に触れるか触れないかの距離を攻めてきます。指が「くっ……」と声を漏らして身体を強張らせると、佐伯さんはクスクスと喉を鳴らして笑いました。

「指くん、もしかして……こんなに汗をかいているのに、別のところが熱くなっちゃった?」

彼女は濡れたタオルをサイドテーブルに置くと、今度は素手を彼の胸元に滑り込ませました。ひんやりとした彼女の手のひらが、激しく波打つ指の鼓動を直接確かめるように押し当てられます。

「顔だけじゃなくて、体中が真っ赤。これじゃあ、お薬のせいだけじゃないみたいね。……ねえ、指くん。奥さんにお世話されるの、そんなに刺激的?」

彼女の顔が、今度は逃げ場のない至近距離まで近づいてきました。指の部屋には、二人の荒い吐息と、外で降り続く雨の音だけが響いていました。

佐伯さんは、指の動揺など全く気にかけていないかのような、あくまで「慈愛に満ちた看護師」といった風情で、次々と手際よく作業を進めていきました。しかし、その言葉のひとつひとつには、抗えない絶対的な圧力がこもっていました。

「さあ、上半身は綺麗になったわね。次は下も拭かないと。指くん、自分で脱げる? それとも、私が手伝ってあげましょうか?」

さらりと言ってのけた彼女の言葉に、指は熱が一気に吹き出すのを感じ、シーツを握りしめて首を横に振りました。

「い、いいえ! 下は……下は大丈夫です。自分で、後でやりますから……!」

しかし、佐伯さんは困ったように眉を下げると、ベッドの端に腰を深く下ろして、指の腰元に手をかけました。彼女の指先が、スウェットのゴム紐にふわりと触れます。

「だめよ、指くん。下着までぐっしょりじゃない。汗を吸ったままにしておくと、お布団まで汚れちゃうわ。社宅の備品を汚すわけにはいかないでしょう? ほら、これは『命令』よ。いいから脱いで」

「命令」という言葉の響きに、指は身をすくませました。彼女の瞳は優しく笑っているようでいて、獲物を追い詰めたような鋭い光を孕んでいます。逆らうことが許されない空気に飲まれ、指は震える手で自らスウェットを押し下げました。

「そう、お利口さんね。……あら、パンツもこんなに濡れて。これじゃあ気持ち悪かったでしょう」

佐伯さんは、指が最後の一線を守ろうと必死に手で押さえているのを見て、わざとらしく溜息をつきました。彼女は濡れたタオルを再び熱いお湯で絞り直すと、湯気を立てるそれを手に、指の目を見つめました。

「指くん、手を除けて。奥まで綺麗に拭いてあげるから。……いい? 私は今、あなたの体を治そうとしているのよ。恥ずかしがるなんて、お姉さんに失礼じゃない?」

彼女の凛とした、それでいて艶を帯びた声に、指は魔法にかけられたかのように、ゆっくりと手を離してしまいました。無防備に晒された彼の姿を、佐伯さんは隠そうともせず、じっくりと、品定めするように見つめました。

「……ふふ、指くん。風邪をひいているのに、ここはこんなに元気なのね」

彼女はそう囁くと、熱を帯びたタオルを、彼の最も敏感な部分へとゆっくりと、吸い付かせるように押し当ててきました。

 佐伯さんは、指の動揺など意に介さない様子で、あくまで「丁寧な看病」として作業を続けました。熱いタオルが指の太ももの内側をゆっくりと滑り、肌に残った汗を拭い去っていきます。その指先が時折、意図的なのか偶然なのか、彼の脚の付け根に深く触れるたびに、指の体はビクンと跳ねました。

「そんなに力を入れないで。リラックスしないと、汚れがちゃんと落ちないわよ」

彼女はそう言いながら、さらに指の奥へとタオルを潜り込ませました。

指は必死に別のことを考えようと天井の一点を見つめましたが、鼻先をかすめる彼女の柔らかな香りと、タオル越しに伝わる彼女の手のひらの感触が、本能を容赦なく刺激します。どれだけ頭で否定しようとしても、正直な体は嘘をつけませんでした。

熱に浮かされた感覚の中で、指のそれは彼女の手が近づくたびに熱を帯び、ついに誰の目にも明らかなほど、天を突くように硬く立ち上がってしまいました。

「……あら」

佐伯さんの動きが、ぴたりと止まりました。

静まり返った室内で、指の荒い呼吸だけが響きます。指はあまりの恥ずかしさに、顔が爆発しそうなほど赤くなり、両手で顔を覆ってしまいました。

「すみません……その、違くて……病気のせいで、勝手に……っ」

しどろもどろに言い訳をする指でしたが、佐伯さんはそんな彼を責めるどころか、喉の奥で「くふふ」と楽しそうに笑い声を漏らしました。彼女はタオルを持ったままの手を、あえてその猛り立った場所に添え、布越しにじわりと圧力をかけました。

「病気のせい、ねえ? でも、こんなに元気に脈打っているわよ。私の拭き方が、そんなに気持ちよかったかしら」

彼女はタオルを指に押し当てたまま、円を描くようにゆっくりと、そして執拗にそこを動かしました。看病という名目の境界線が、彼女の艶やかな微笑みによって、音を立てて崩れていくようでした。

「指くんのここ、すごく熱い。……これじゃあ、お熱はまだ下がりそうにないわね」

彼女は顔をさらに近づけ、指が顔を隠している手の隙間から、その濡れた瞳を覗き込んできました。

佐伯さんは、指の猛烈な反応を目の当たりにしても、決して動じることはありませんでした。それどころか、困った子供をあやすような慈愛に満ちた表情のまま、手に持ったタオルをさらに熱いお湯で絞り直したのです。

「これも綺麗にしましょうね。一番汗が溜まりやすい場所なんだから、念入りに拭かないと」

彼女は事も無げに言うと、天を突くように硬くなった指のそれに対し、熱を帯びたタオルをゆっくりと、そして隙間なく巻き付けました。指は「ひ、あぁっ!」と情けない声を上げて腰を浮かせましたが、佐伯さんのもう片方の手は、彼の膝をぐいと押さえつけて逃がしません。

「動いちゃだめよ。不潔にしていると、風邪の治りも遅くなっちゃうわ」

そう言いながら、彼女はタオル越しに、指の最も敏感な先端から根元にかけて、大きな手つきで何度も何度も往復するように拭き上げました。看病というにはあまりにも力強く、それでいて陶酔を誘うような絶妙な指の動き。タオルのザラついた感触が、勃起して張り詰めた皮膚を容赦なく刺激します。

「ねえ、指くん。ここ、さっきよりずっと熱くなっているわよ? 私が拭くたびに、ピクピクって……ふふ、正直な体ね」

彼女はわざと顔を近づけ、指の耳元に熱い吐息を吹きかけました。指はあまりの快感と羞恥心に、枕に顔を埋めて声を殺すのが精一杯でした。しかし、佐伯さんの「お世話」は終わりません。

彼女は今度はタオルを指先に巻き付けると、亀頭の周囲や裏側の筋を、まるで彫刻を磨き上げるかのように細かく、執拗になぞり始めました。一箇所を執拗に攻められたかと思えば、急に根元をぎゅっと握り込まれ、指の意識は熱と快感の濁流に飲み込まれていきました。

「……んっ、佐伯さん、もう……そこ、は……っ!」

「まだよ。ほら、ここにも少し汚れが残っているわ。お姉さんがピカピカにしてあげるからね」

彼女の瞳は、指が苦悶と快楽に歪む表情を、隅々まで観察して楽しんでいるようでした。看病という大義名分を盾に、彼女は指が経験したことのないような甘美な拷問を、じっくりと時間をかけて続けていきました。

「あら、タオルだけじゃ細かいところまで綺麗にならないわね……」

佐伯さんは独り言のようにそう呟くと、手に持っていたタオルをサイドテーブルに置きました。指が何事かと思って目を開けると、彼女はベッドに身を乗り出し、彼の脚の間に顔を埋めるようにして深く腰を落としました。

「さ、佐伯さん……?」

指の困惑した声が部屋に響くよりも早く、熱を帯びた彼の先端に、タオルとは全く違う、滑らかで熱い「肉体」の感触が触れました。

「んっ……!」

それは、彼女の舌でした。

驚愕で指の背筋に激痛のような衝撃が走り、彼はシーツを指がちぎれんばかりに握りしめました。佐伯さんは、指の最も敏感な部分を、まるで甘いキャンディでも味わうかのように、下から上へとゆっくりと舐め上げたのです。

「れろ……じゅる……。ふふ、指くん。ここ、すごくいい匂いがするわよ。男の子の匂い……」

「あ、だめ……っ、佐伯さん、そこは……汚いです……!」

指は必死に声を振り絞りましたが、彼女はそれを制するように、彼の太ももを強く掴みました。彼女の口内は、熱に浮かされた彼の体よりもさらに熱く、湿った舌が裏側の筋をなぞるたびに、指の脳裏には白い火花が飛び散りました。

彼女は、看病という名目をかなぐり捨てたわけではありませんでした。あくまで「掃除の続き」であるかのように、執拗に、丁寧に、彼の溢れ出した先走りの汁まで残さず掬い取っていきます。

「不潔なものは、全部私が綺麗にしてあげる。……いいわよね、指くん?」

彼女が顔を上げ、上目遣いに指を見つめたとき、その口元は艶やかに濡れて光っていました。その背徳的で妖艶な姿に、指は自分が病気であることも、ここが社宅であることも、すべてを忘れて彼女の愛撫に翻弄されるしかありませんでした。

「ん……じゅぷ、ちゅ……っ」

静かな部屋に、粘り気のある水音だけが響き渡ります。指の理性は、彼女の熱い舌の動きによって、刻一刻と崩壊へと向かっていました。

佐伯さんの舌先は、さらに深く、指が想像だにしなかった領域へと侵入していきました。

「ここも、汗が溜まりやすいのよね……。指くん、少し足を広げて?」

逆らえるはずもありませんでした。彼女の柔らかな指先が、指の膝の裏を優しく、けれど拒絶を許さない力強さで押し開きます。無防備に晒された場所へ、彼女の熱い吐息が吹きかけられたかと思うと、今度は鋭く尖らせた舌先が、キュッと閉じた肛門の窄まりを直接割り入るように突いてきました。

「ひっ、あぁっ……! 佐伯さん、そこは、そこだけは……!」

指は今まで感じたことのない異様な感覚に、腰を激しく浮かせて逃げようとしました。しかし、彼女は逃がすどころか、彼の腰をがっしりと両手で固定し、さらに深く、深くその場所へ顔を埋めてきました。

「れろ……じゅぷ、ちゅる……。あら、指くん、そんなに震えて。ここ、すごく敏感なのね。私の舌が、中に入りたがってるわよ?」

彼女の言葉通り、熱く濡れた舌先が、窄まりの奥へとねじ込まれるように侵入してきます。粘膜を直接なぞられる生々しい感触と、内側から押し広げられるような鈍い刺激。指は頭の中が真っ白になり、病気の熱とは別の、暴力的なまでの快楽に全身を支配されていきました。

彼女の舌が奥でうねるたびに、指の立ち上がったそれは、自分の意思とは無関係にピクピクと震え、先端から透明な蜜を溢れさせていきます。佐伯さんはその様子を楽しみながら、さらに執拗に、まるで指のすべてを内側から暴き出すかのように、その禁断の場所を舐め上げ、吸い上げ続けました。

「ん……ちゅぷ、じゅるぅ……。ふふ、指くん、お顔がすごいことになってるわよ。そんなに気持ちいいのかしら……お姉さんの、お掃除」

彼女の舌がより深く、そして円を描くように動かされるたび、指の喉からは言葉にならない熱い吐息が漏れ出し、彼はただ、社宅の一室で年上の女性に弄ばれるがままになっていました。

佐伯さんは、指の腰をさらに高く抱え上げると、指先で窄まりを広げながら、その奥へと深く舌を突き入れました。内側の粘膜を直接かき回されるような異質な感覚に、指は「あ、あ、あああっ!」と声を上げ、のけ反るように体を震わせます。

しかし、彼女はそこで攻撃を止めませんでした。

「ねえ、指くん。一度、溜まったものを全部吐き出して、楽になりましょうか?」

彼女は肛門に舌を挿入したまま、空いた両手で、限界まで張り詰め、先走りの汁でぬらぬらと光る指のそれを根元からしっかりと握りしめました。そして、舌先で内側を執拗に突き上げる動きと完全に同期させるように、その熱い筒を上下に激しく、情け容赦なくしごき始めました。

「んむ……じゅる、ちゅぷ……!」

下から突き上げられる鋭い刺激と、前から与えられる力強い摩擦。二方向からの猛烈な快楽の波に、指の理性は完全に粉砕されました。薬のせいか、熱のせいか、それとも彼女のテクニックのせいか、視界は白く染まり、火花が散るような感覚が全身を駆け抜けます。

「あ、出る、出ちゃう……! 佐伯さん、もう無理です、っ!」

「いいわよ、全部出しちゃって。お姉さんが受け止めてあげるから……」

彼女はしごく速度をさらに早め、同時に舌をより深くねじ込み、指の最も弱く敏感な部分を激しく攻め立てました。

「あっ、あぁぁぁーーっ!」

指の体が大きく跳ね上がると同時に、真っ白な熱い塊が、彼女の手の中へと勢いよく解き放たれました。何度も、何度も、痙攣するように脈打ちながら溢れ出すそれを、佐伯さんは一滴も逃さないかのように強く、そして優しくしごき続け、指はただ、荒い息をつきながら天を仰いでいました。

ドクドクと脈打つ衝撃が収まってもなお、指のそれは佐伯さんの手の中で熱を失うどころか、より一層硬さを増して反り上がっていました。生まれて初めて味わう激しい快感に、指は頭を空っぽにして、ただ肩で荒い息をつくことしかできません。

佐伯さんは、白濁した液体で汚れた自分の手を気にする様子もなく、むしろ愛おしそうにその熱を手のひらで転がしました。そして、まだぴくぴくと震えている指の顔を覗き込み、悪戯っぽく微笑んだのです。

「あらあら……指くん、あんなに勢いよく出したのに。全然小さくならないわね? むしろ、さっきより元気になってるみたい」

「あ、あの……すみません……自分でも、どうしてか……っ」

指はあまりの羞恥心に顔を腕で覆い隠そうとしましたが、佐伯さんはその腕を優しく退けると、濡れた指先で彼の唇をなぞりました。

「謝ることないわよ。それだけ指くんが、私に興奮してくれたってことでしょう? お姉さん、すごく嬉しいわ。まだ熱も下がっていないみたいだし……出し切らないと、体に毒よね?」

彼女はそう囁くと、再び指の足の間に顔を寄せました。今度は、出し終えたばかりで過敏になっている先端に、そっと鼻先を擦り寄せ、深くその匂いを吸い込みます。

「……ふふ、すごく濃い匂い。ねえ、指くん。もう一回、今度はもっとすごいこと、してみる?」

彼女の瞳には、慈愛に満ちた「看護師」の顔と、若い男を弄ぶ「女」の顔が混ざり合い、熱に浮かされた指をさらに深い泥沼へと引きずり込んでいきました。


佐伯さんは「ちょっと待っててね」とだけ言い残し、軽い足取りで自分の部屋へ戻っていきました。

静まり返った室内で、指は荒い息を整えようとしましたが、下半身の熱は一向に引く気配がありません。数分後、戻ってきた佐伯さんの手には、小さなポーチが握られていました。

「指くん、これ。……実はね、主人が出張がちで寂しい時に、私が使っているものなの」

彼女がポーチから取り出したのは、淡いピンク色をした、驚くほどリアルな形状の「大人のおもちゃ」でした。シリコン製のそれは、しっとりとした質感を持ち、彼女の体温が移っているかのように艶やかに光っています。

「本当は自分だけで使うつもりだったんだけど……指くんがあまりに元気だから、これを使って『お掃除』の仕上げをしてあげようと思って」

佐伯さんはそう言うと、自分のお気に入りだという潤滑ジェルを、指の熱く火照った楔と、そのおもちゃの両方にたっぷりと塗り広げました。ヒンヤリとしたジェルの感触に指が身を震わせると、彼女はそのおもちゃを指の目の前でゆっくりと動かし、先端を彼の窄まりへと押し当てました。

「指くん、これはね……私だと思って。私が指くんの中に、もっと深く入り込んであげるから」

「……っ、うあぁっ!?」

指の喉から、今まで出したこともないような掠れた悲鳴が漏れました。

それは、これまでの人生で一度も門を開いたことのない場所に、強引に「他者」が侵入してくる異様な感覚でした。熱く、硬いシリコンの塊が、窄まりをじりじりと押し広げていく感触。内側の粘膜が無理やり引き延ばされる恐怖と、それ以上に、体の奥底の、自分でも知らなかった中枢を直接掴まれるような、暴力的なまでの違和感に全身の毛穴が逆立ちます。

「佐伯さん……待って、それ、入っ……入ってきます、中に……っ!」

指はパニックになり、シーツを指がちぎれんばかりに掴んで腰を逃がそうとしました。しかし、佐伯さんは彼の腰を両手でがっしりと押さえ込み、逃げ場を完全に塞ぎます。

「大丈夫、ゆっくり力を抜いて。ほら、指くんのここ、こんなに熱くなって欲しがってるわよ……?」

彼女の言葉とは裏腹に、おもちゃのスイッチが入り、低く重い振動が始まった瞬間、指の脳内は完全にパニックに陥りました。内臓を直接震わせられるような、逃げ場のない振動。お腹の奥がじくじくと熱くなり、排泄感にも似た、それでいてもっと強烈で甘痺れるような衝動が、脊髄を駆け上がって脳を真っ白に染め上げます。

「ひ、あ、あああああ……っ!」

異物が奥の「そこ」に触れた瞬間、指の立ち上がったそれは、触れてもいないのに勝手にビクビクと跳ね上がり、先ほど出したばかりのはずの先走り汁が、ポタポタとシーツを汚していきました。

自分の内側に、誰かの愛用していた道具が深く沈み込み、激しく震え続けている。その背徳感と、無理やり開拓されていく未体験の快感に、指は涙を浮かべ、ただ情けなく腰を震わせることしかできませんでした。

おもちゃが内側で激しく振動し、指の意識を混濁させている最中、佐伯さんは「じゃあ、仕上げね」と、潤んだ瞳で彼を見つめました。

彼女は、指の熱く猛り狂ったそれを、再びその艶やかな唇で迎え入れました。しかし、今度は先ほどまでの「お掃除」のような優しいものではありません。彼女は喉を大きく開き、指のそれを根元まで一気に飲み込むと、おもちゃの振動のリズムに合わせるように、激しく、そして深く出し入れを始めたのです。

「んむ……じゅぷ、ちゅるぅ……んぐっ!」

口内を支配する熱い粘膜の感触と、同時に肛門の奥を容赦なくえぐり続ける振動。二方向からの猛烈な責め苦に、指の腰はガクガクと震え、理性は完全に消し飛びました。

「あ、あ、あああっ! 佐伯さん、それ……もう、出……っ、出ます、出ちゃう……っ!」

「んむぅ……!」

佐伯さんは、指が限界を迎えたことを察すると、さらに深く、喉の奥まで彼を突き刺させました。そして、おもちゃの振動を最大にし、彼の腰を力強く引き寄せます。

「ひ、あぁぁぁーーーーっ!」

その瞬間、指の体は弓なりに反り返り、二回目とは思えないほどの熱い塊が、彼女の口内へと勢いよく解き放たれました。ドクドクと脈打つたびに、彼女の喉が大きく上下し、指が人生で初めて捧げるそのすべてを、一滴も残さず飲み干していきます。

指の視界は白く染まり、おもちゃの残響だけが脳内に響く中、彼はただ真っ白な灰になったようにベッドに沈み込みました。

しばらくして、佐伯さんは口元を指先で拭い、満足そうに微笑みました。

「指くん、いっぱい出せたわね。……これで、明日にはすっかり熱も下がっているはずよ?」

そう言って彼の額に優しくキスをした彼女の顔は、やはり慈愛に満ちた「看病する奥さん」に戻っていましたが、その瞳の奥には、獲物を手なずけた確かな悦びが宿っていました。

翌朝、カーテンの隙間から差し込む眩しい太陽の光で、指は目を覚ましました。

昨夜の熱狂が嘘のように体は軽く、熱もすっかり下がっていました。しかし、シーツに残る微かなジェルの跡と、体の奥底に残る独特の違和感が、すべては夢ではなかったことを残酷なまでに突きつけてきます。指が一人、昨夜の出来事を思い出して顔を赤くしていると、軽やかな足取りと共にドアがノックされました。

「おはよう、指くん。もう起きてるかしら?」

入ってきたのは、エプロン姿の佐伯さんでした。彼女の手には、炊き立てのご飯と味噌汁、そしてふっくらとした卵焼きが乗ったお盆が握られています。

「顔色、良くなったわね。やっぱり、昨日の『お世話』が効いたのかしら」

彼女はそう言って、何事もなかったかのように爽やかな笑顔を浮かべました。昨夜、あんなにも淫らな声を出し、指のすべてを口で受け止めた女性とは到底思えない、完璧な「お隣の奥さん」の姿でした。

指が「あ、あの……昨日は、すみませんでした……」としどろもどろに挨拶すると、彼女はベッドの脇にトレイを置き、彼の乱れた前髪を優しく整えました。

「いいのよ。困った時はお互い様でしょう? さあ、しっかり食べて。今日からまたお仕事頑張らなきゃいけないんだから」

彼女の指先が額に触れるたび、指の心臓は再び跳ね上がりました。しかし、彼女はそれ以上踏み込んでくることはなく、かいがいしく朝食の準備を進めます。そのあまりに日常的な振る舞いに、指は「自分だけが意識しているのではないか」という奇妙な錯覚に陥りそうになりました。

ところが、彼女が部屋を出ていこうとした際、ふと足を止めて振り返りました。その瞳には、昨夜と同じ、妖艶な光が宿っていました。

「……あ、そうそう。指くんのパジャマ、下着と一緒に洗濯しておいたから。後で私の部屋まで取りに来てくれる? 主人が帰ってくる前に……ね」

彼女は人差し指を唇に当てて「内緒」の合図をすると、クスクスと楽しそうに笑いながら部屋を後にしました。

一人残された指は、目の前の温かい朝食を見つめながら、これから始まる社宅での生活が、想像もしていなかったほど刺激的で、逃げ場のないものになることを確信するのでした。

指は出勤前のわずかな時間、心臓の音を社宅の廊下に響かせながら、隣室である佐伯さんの家のチャイムを鳴らしました。

「はいはい、今開けるわね」

扉が開くと、そこには今朝よりも少しラフな、薄手のカットソー姿の佐伯さんが立っていました。彼女は指の顔を見るなり、いたずらが見つかった子供のような顔をして、彼を玄関の中へと招き入れます。

「いらっしゃい、指くん。ほら、これ。綺麗に乾いているわよ」

手渡された紙袋には、丁寧に畳まれた自分のパジャマと、そして……あの夜、彼女に無理やり脱がされた下着が入っていました。指がそれを受け取ろうと手を伸ばすと、佐伯さんは袋を離さず、そのまま彼の手首を掴んでぐいと自分の体の方へ引き寄せました。

「あ、あの……佐伯さん?」

「昨日のこと、本当に誰にも言っちゃだめよ? 主人にも、会社の人にも。指くんと私の、特別な『治療』なんだから」

彼女はそう囁きながら、指の耳元に唇を寄せました。狭い玄関先で、彼女の柔らかな胸の感触が指の腕に伝わります。佐伯さんは、指が緊張で息を止めているのを楽しそうに見つめると、今度は彼のスラックスのポケットに、そっと何かを忍び込ませました。

「これ、貸してあげる。また熱が出そうになったら、これを使って私を呼んで」

指がポケットを探ると、そこには昨夜、自分の体の中にまで侵入してきた、あのピンク色のシリコンのおもちゃが入っていました。

「えっ、でも、これは……っ」

「いいのよ。それは私の代わりに、指くんのそばに置いておいて。……ねえ、指くん。今夜、主人がまた会食で遅くなるの。お洗濯の『お礼』、期待してていいかしら?」

彼女は指の胸元を軽く叩くと、最後にもう一度、艶やかな微笑みを残してドアを閉めました。

一人残された廊下で、指はポケットの中の異物の感触を確かめました。昨夜の快楽の記憶が、熱と共に再び下腹部へと集まってくるのを感じます。新社会人としての生活はまだ始まったばかりでしたが、彼はすでに、隣に住む美しい「看護師」が仕掛ける、甘く危険な罠から抜け出せなくなっていました。

夕食を済ませ、シャワーを浴びて身なりを整えた指は、自分の部屋で落ち着かない時間を過ごしていました。時計の針が21時を回った頃、約束通り、玄関のドアが静かにノックされました。

「指くん、起きてる? お邪魔してもいいかしら」

ドアを開けると、そこには昼間のラフな格好とは打って変わって、少し肩の開いた艶やかなニットを纏った佐伯さんが立っていました。彼女の手には、冷えたワインのボトルと小さなグラスが二つ握られています。

「主人がね、急に泊まりの出張になっちゃったの。一人で飲むのも寂しいから、指くん、付き合ってくれる?」

彼女は指の返事を待たず、慣れた足取りで部屋の中へと入り込み、ソファに腰を下ろしました。薄暗い室内で、彼女の纏う香水の甘い香りが一気に広がり、指の鼓動は再び激しく波打ち始めます。

「さあ、指くんも隣に座って。……そんなに遠くにいたら、乾杯もできないじゃない」

彼女に促されるまま、指はおずおずと隣に腰を下ろしました。触れ合うか触れないかの距離で、佐伯さんはワインを注ぎ、小さなグラスを指に差し出します。

「今日一日、お仕事中も私のこと考えてくれた?……ねえ、ポケットの中の『お留守番』、ちゃんと可愛がってあげたかしら」

彼女の潤んだ瞳が、指の視線を捉えて離しません。彼女はグラスをテーブルに置くと、熱を帯びた指先で指の顎をそっと持ち上げ、そのまま深く、吸い付くようなキスをしました。

ワインの香りと彼女の甘い吐息が混ざり合い、指の脳内は一瞬で熱く溶けていきました。彼女の片手は、すでに指のスラックスの上から、日中預けられた「あのおもちゃ」の感触を確かめるように、ゆっくりと這い上がり始めていました。

「今夜はたっぷり時間があるわ。昨日の続き……もっと奥まで、教えてあげる」

静まり返った社宅の一室で、二人だけの長い夜が、再び幕を開けようとしていました。

指は、火照った体と混濁する意識の中で、ふと疑問に思ったことを口にしていました。スラックスのポケット越しに伝わるシリコンの硬い感触を意識しながら、震える声で尋ねます。

「あの……佐伯さん。これ……佐伯さんも、本当に自分の後ろに、入れたりするんですか?」

その問いを聞いた瞬間、佐伯さんは一瞬だけ驚いたように目を見開きましたが、すぐにくすくすと喉を鳴らして笑い出しました。彼女は指の顎に添えていた手に力を込め、顔をさらに近づけます。

「あら、そんなこと気になるの? 指くんって、意外と好奇心旺盛なのね」

彼女はそう言いながら、自分の膝をゆっくりと割り、指の脚の間に滑り込ませました。薄い生地越しに伝わる彼女の体温が、指の理性をさらに削っていきます。

「そうよ。主人がいなくて寂しい夜は……これを一番奥まで飲み込んで、指くんが昨日感じたみたいに、頭の中が真っ白になるまで震えてるの。……見たい? 私がこれを使っているところ」

彼女の挑発的な告白に、指は息を呑みました。いつも清楚で優しい「お隣の奥さん」が、一人でそんな淫らな時間を過ごしているという事実に、下半身がはち切れんばかりに熱くなります。

佐伯さんは指の動揺を愉しむように、彼の耳元に唇を寄せ、熱い吐息と共に囁きました。

「もし、指くんが上手に『お掃除』のお手伝いをしてくれるなら……今夜、特別に見せてあげてもいいわよ。……それとも、指くんが私に、直接入れてくれるかしら?」

そう言って彼女は、指の手をとり、自分のタイトなスカートの裾へと導きました。指の指先が、彼女のストッキングの滑らかな質感と、その奥にある禁断の入り口に触れようとしていました。

佐伯さんの指先が、指のスラックスのベルトにゆっくりと掛かりました。彼女は顔をわずかに引き、試すような、それでいてすべてを見透かしたような潤んだ瞳で彼をじっと見つめます。

「ねえ、指くん。ずっと気になっていたんだけど……。もしかして、まだ女の子と経験ないのかしら。……童貞?」

直球すぎる問いかけに、指は心臓が止まるかと思いました。顔面が沸騰しそうなほど赤くなり、視線を泳がせながら、蚊の鳴くような声で答えます。

「……はい。その……まだ、一度も……」

それを聞いた瞬間、佐伯さんの表情から余裕たっぷりの「年上のお姉さん」の顔が消え、ゾクりとするような、濃密な「女」の顔が露わになりました。彼女は感極まったように吐息を漏らすと、指の頬を両手で挟み込み、熱い視線を絡ませます。

「やっぱり……。そうじゃないかと思ってた。真っ白で、何も知らない綺麗な身体……」

彼女はそう囁くと、指の耳たぶを優しく食み、とろけるような甘い声で続けました。

「ねえ、指くん。その初めて……私にくれる? 他の誰でもない、私に。お姉さんが、指くんの初めての相手になってあげたいの」

「佐伯さん……でも、旦那さんが……」

指が最後の理性を振り絞ってそう言うと、彼女は彼の唇を自分の指でそっと塞ぎました。

「旦那様には内緒よ。これは、私と指くんだけの『社宅の秘密』。誰にも教えずに、私だけで指くんを真っ赤に染め上げてあげたいの。……嫌かしら?」

彼女はそう言いながら、自分のスカートのファスナーをゆっくりと下ろし、その滑らかな脚を指の膝の上に重ねました。拒絶などできるはずもありませんでした。指は、彼女の情熱的な誘いと、初めて触れる大人の女性の芳醇な魅力に、ただ深く頷くことしかできませんでした。

「……ください。佐伯さんに、全部……貰ってほしいです」

指のその言葉を合図に、佐伯さんは彼を押し倒すようにして、深く、深い接吻を交わしました。二人の間に、もう言葉は必要ありませんでした。

二人の衣服が床に散らばり、指の若々しい肌と、佐伯さんの熟れた白い肌が密着しました。

彼女の流れるような愛撫によって、指はすでに自分でも制御できないほど熱く、硬く昂ぶっていました。佐伯さんは、指の緊張をほぐすように優しく微笑むと、彼を仰向けに寝かせ、自らその上に跨がりました。

「指くん、初めての景色……しっかり見ていてね」

彼女がゆっくりと腰を浮かせると、指の先端が彼女の秘められた場所の入り口に触れました。熱く湿った感触が指の背筋に火花を散らせます。

佐伯さんは指の胸に両手を突き、重心を後ろに預けながら、自らの指で指のそれを導きました。

「んっ……あ……っ」

彼女がゆっくりと、ためらうように腰を下ろしていくと、指の熱い塊が、彼女の狭く熱い内側へと少しずつ、確実に沈み込んでいきました。未体験の圧迫感と、吸い付くような粘膜の抱擁。指は「あああ……っ!」と声を漏らし、目の前で身悶える彼女の艶やかな姿に目を奪われました。

「ふう……っ、指くん、すごく……大きいのね……。私の、奥まで届いてるわよ」

完全に繋がった瞬間、佐伯さんは恍惚とした表情で仰け反り、首筋のラインを美しく浮き上がらせました。彼女はそのまま、ゆっくりと上下に腰を動かし始めました。

「あ、あ、佐伯さん……すごい……っ、きつくて……熱いです……っ!」

「ふふ、指くん、お顔が真っ赤……。私の……私だけのものになってるのね……」

彼女は騎乗位のまま、指の反応を楽しむように、時に激しく、時にねっとりと腰を使い分け、指の理性を一滴残らず搾り取るように攻め立てました。初めての快楽に翻弄される指の視界には、自分を包み込み、悦びに頬を染める「奥さん」の、美しくも淫らな姿だけが焼き付いていました。

佐伯さんの腰使いは、次第に激しさを増していきました。彼女が上下に揺れるたび、重力と彼女の体温が指の芯まで響き渡り、初めて知る「本物の女性」の熱に指の意識は完全に混濁していました。

「んっ、あ……っ! 指くん、もう……我慢しなくていいわよ。私の中に、全部……全部吐き出して……!」

彼女は指の手をとり、自分の胸に強く押し当てました。ドクドクと激しく打つ彼女の鼓動が手のひらから伝わり、それが指の限界を決定づけました。

「佐伯さん、あ、出……出ます! 出ちゃいます……っ!!」

「いいわよ……っ、お姉さんの中に、指くんの初めてを、全部……っ!!」

指が彼女の腰を強く掴み、突き上げるようにしてのけ反った瞬間。 熱い衝撃が指の背筋を突き抜け、経験したことのない量の熱い塊が、彼女の奥深くへと勢いよく解き放たれました。

「あああああぁぁっ!!」

「んんっ……あぁ……っ!!」

佐伯さんも同時に、指の熱を受け止めるように強く腰を沈め、彼を抱きしめました。何度も、何度も脈打つ衝撃。指は彼女の首筋に顔を埋め、ただ激しく息を切らしました。

静まり返った室内で、繋がったままの二人の荒い吐息だけが重なり合います。指は、自分の最も大切なものが彼女の内側へと注ぎ込まれ、一体化しているという圧倒的な充足感と喪失感に包まれていました。

佐伯さんは、指の髪を優しく撫でながら、満足げな溜息をつきました。

「……ふふ。凄かったわよ、指くん。私のこと、こんなに熱くしてくれて……ありがとう」

彼女はそう言うと、まだ繋がったままの状態でゆっくりと腰を揺らし、余韻を楽しむように微笑みました。その瞳は、一度では満足していない、さらなる「教育」を予感させる欲望に満ちていました。

射精の余韻で頭がぼんやりとしている指でしたが、下半身の感覚だけは、先ほどよりもさらに鮮明に研ぎ澄まされていました。

「あら……? 指くん、凄いわね……」

佐伯さんは、繋がったままの状態で不思議そうに腰を揺らしました。普通なら事後、急激に熱が引いていくはずの場所が、彼女の熱い内側に包まれたまま、再び硬く、そしてさらに一回り太さを増して脈打ち始めたのです。

指自身も、自分の体がどうなってしまったのか分からず、戸惑いながら声を漏らしました。

「あ……あの、すみません。出したばかりなのに、全然……収まらなくて……」

「謝ることなんてないわ。むしろ……お姉さん、もっと嬉しくなっちゃった」

佐伯さんの瞳に、再び獲物を狙うような妖艶な光が宿りました。彼女は指の胸の上に両肘をついて、とろけるような笑顔で彼を覗き込みます。繋がった部分からは、彼女が動くたびに「くちゅり」と、指が注ぎ込んだばかりの蜜と彼女の愛液が混じり合う淫らな音が漏れ出しました。

「初めてなのに、こんなに元気だなんて。指くん、本当はすごく絶倫さんなのかしら? ……それとも、私のことがそんなに気持ちいい?」

彼女はそう言いながら、今度はゆっくりと円を描くように腰を回し始めました。一度果てて過敏になっている先端に、彼女の柔らかな肉壁が執拗に絡みつきます。

「ひっ、あ……佐伯さん、また、変な感じに……っ!」

「ふふ、いいわよ。夜はまだ始まったばかりだもの。指くんがその気になるまで、何度でも付き合ってあげる。……ねえ、今度は指くんから、私を攻めてみてくれる?」

彼女は指の手をとり、自分の豊かな腰へと導きました。「もっと強く掴んで」と促す彼女の声に、指の理性が再び音を立てて崩れ、二人の二回戦という名の「深い治療」が始まろうとしていました。

彼女は繋がっていた場所を名残惜しそうに抜くと、指の前で 四つん這いになり、自ら腰を高く突き出しました。白い肌が月光に照らされ、そこはまだ先ほどのおもちゃの余韻か、指が注ぎ込んだ熱のせいか、期待に震えるように微かに波打っています。

「いいわよ……。指くんの初めての『うしろ』も、私が全部貰ってあげる。……でも、こっちはもっと狭いから、優しくしてね?」

指は震える手で彼女の豊かなお尻を割り、猛り立った自らの先端を、その窄まりへと押し当てました。一回戦の時とは比べものにならないほどの抵抗感と、内側から締め付けられるような強烈な圧迫感。指がゆっくりと腰を沈めると、佐伯さんは「んんっ……!」と短く息を呑み、シーツをギュッと掴みました。

「あ……入って、くる……。指くんの、熱いのが……っ」

「佐伯さん……狭いです……すごく、熱い……っ!」

「いいの……もっと、奥まで……全部、預けて……っ」

指は彼女の腰をがっしりと掴み、一寸ずつ、その禁断の領域を開拓するように深く突き進んでいきました。完全に根元まで埋まった瞬間、佐伯さんは「あぁぁっ!」と声を上げて背中を反らせ、指もまた、経験したことのないほどの極限の締め付けに、脳が弾けるような快感に襲われました。

おもちゃの振動とは違う、生きている人間の、力強い拍動を伴う挿入。佐伯さんは苦しげな、それでいて恍惚とした吐息を漏らしながら、自ら腰を振り始めました。

「指くん……すごい……。私、壊されちゃいそう……っ!」

二人の汗が混じり合い、肉と肉がぶつかり合う生々しい音が部屋に響き渡ります。指は、憧れの奥さんの最も秘密の場所を独占しているという背徳感に突き動かされ、無我夢中で腰を叩きつけ続けました。

指が腰を動かしながら、耳元で「……今日は、まだあのおもちゃ、使ってませんね」と低く囁くと、佐伯さんは「あっ……!」と短く声を上げ、身体をビクンと震わせました。

「そんなこと……この最中に思い出すなんて。指くん、本当はすごく、いけない子なのね……」

彼女は苦しげに、けれど歓喜に満ちた表情で振り返ると、枕元に置いてあったあのピンク色のシリコンを手に取りました。

「いいわよ……。指くんが私の中を埋めてくれてる間に、これも一緒に使いましょうか」

佐伯さんは、指の硬い塊を受け入れているすぐ隣、自らの秘められた場所のもう一方の入り口に、おもちゃの先端を押し当てました。そして、スイッチを「最大」に入れます。

「っ……あ、あああああぁぁっ!!」

部屋中に響き渡る激しい振動音。指の体にも、彼女の肉体を通じて凄まじいバイブレーションが伝わってきます。指が内側から突き上げる衝撃と、おもちゃが外側からかき乱す振動。二重の責め苦に、佐伯さんの体は弓なりに反り返り、白目を剥かんばかりのトランス状態に陥りました。

「すごい……っ、指くんと、これ……両方、いっぺんに、きてる……っ! 壊れる、私、壊れちゃうわ……っ!!」

彼女の窄まりは、振動に翻弄されて指のそれをちぎれんばかりに強く、不規則に締め上げます。そのあまりの締め付けに、指も限界を悟りました。

「佐伯さん……僕も、もう……っ! 出ます、出ちゃいます……っ!!」

「いいわよ、出して! そのまま、奥まで、突き刺してぇっ!!」

指は彼女の腰を折れんばかりに引き寄せ、最後の力を振り絞って最奥を貫きました。同時に、おもちゃの振動に導かれるように、指の熱い塊が彼女の窄まりの奥へと、激しくほとばしりました。

「あ、ああああああーーーーっ!!」

二人の絶叫が重なり合い、佐伯さんは激しく痙攣しながら指の腕の中に崩れ落ちました。おもちゃの振動だけが、事切れた後のような静寂の中で、二人の繋がった部分を震わせ続けていました。

「あら、指くん……。もう三回も出したのに、まだそんなに熱を持ってるの?」

佐伯さんは、指の腕の中で乱れた息を整えながら、彼の火照った体を愛おしそうに撫で上げました。しかし、その瞳には慈愛を通り越した、捕食者のような鋭い光が宿っています。

「前で二回、後ろで一回……。普通なら動けなくなるところだけど、指くんは特別みたいね。……ねえ、お姉さんの言うこと、聞けるかしら? 今度は私が、指くんを『おかして』あげる」

彼女は立ち上がると、クローゼットの奥から一つの器具を取り出しました。それは、先ほどのおもちゃを装着するための、革製の重厚なペニスベルトでした。彼女は慣れた手つきでそれを自らの腰に巻き付け、あのおもちゃを固定します。

「さあ、指くん。ベッドの上で、四つん這いになって。お尻を高く突き出して……そう、私に見せて」

指は戸惑いながらも、抗えない彼女の命令に従い、無防備な姿を晒しました。背後から近づく彼女の気配と、低く唸るおもちゃの振動音。佐伯さんは彼の腰を両手でガッシリと掴むと、濡れた先端を、先ほどまで自分が攻められていた場所へと押し当てました。

「くちゅり……」と、ゼリーの音と共に、異物が入り口を割り入ります。

「ひっ、あぁっ……! 佐伯さん、それ……っ!」

「ふふ、いい声。指くんが私にしてくれたこと、今度はお姉さんがお返ししてあげる。……いくわよ?」

彼女は腰を鋭く突き出しました。人の力では不可能な、一定のリズムと強烈な振動を伴う「侵入」。指は、内側をかき乱される異様な感覚に、シーツを掴んで激しくのけ反ります。

「あ、あ、あああああーーっ! すごい、さっきより、ずっと奥まで……っ!」

「そうよ、もっと奥よ……。指くんの『初めて』を、隅々までお姉さんに教えてね」

佐伯さんは容赦なく腰を叩きつけ、おもちゃの振動で指の最も敏感な部分を執拗に抉り続けました。前からは自分の熱が、後ろからは彼女が操る振動が。指は、女性である彼女に「犯されている」という、倒錯した快楽のどん底へと叩き落されていきました。

「あ……っ、あぁっ! 佐伯さん、それ、激しすぎ……っ!」

指は、背後から突き立てられる無機質で強烈な振動に、なす術もなく身体を震わせました。佐伯さんの腰の動きは、先ほどまでの彼女とは別人のように力強く、容赦がありません。革ベルトが弾む音と、おもちゃが内壁を抉る生々しい音が部屋に響き渡ります。

しかし、彼女の攻めはそれだけではありませんでした。

「指くん、ここ……すごく熱くなってるわよ? 後ろから攻められるの、そんなに気持ちいいのかしら……」

佐伯さんは、四つん這いで悶える指の背中に覆いかぶさるようにして、空いた手を彼の股間へと伸ばしました。そして、後ろからの衝撃でビクビクと跳ねる指のそれを、根元から力強く掴み取ったのです。

「ひっ、あぁぁーーっ!」

後ろからは、おもちゃによる機械的な振動が最奥を突き上げ、前からは佐伯さんの柔らかな、けれど力強い手のひらが、先走りの汁でぬめる熱い筒を激しく上下にしごき上げます。

「んふふ、指くん、お顔が真っ赤。後ろと前、どっちが気持ちいい?……両方よね?」

「あ、あ、もう無理……っ! 佐伯さん、そんなにされたら、また……出ちゃう……っ!」

「いいわよ、出しなさい。お姉さんが、指くんのなけなしの精力を全部、枯れるまで搾り取ってあげるから……!」

彼女はさらに腰の振りを早め、同時にしごき上げる手の動きも加速させました。内側を強烈に揺さぶられ、先端を執拗に擦られる極限の二重奏。指の脳内では火花が散り、もはや自分が男なのか女なのか、何者なのかさえ分からなくなるほどの快楽に塗り潰されていきました。

「あ、あああああぁぁーーっ!!」

四回目。指の身体が限界まで弓なりに反り返り、真っ白な飛沫がシーツの上に、そして自分を犯している佐伯さんの腕に、激しくほとばしりました。

「あら……指くん、さすがに4回も出すと、少し元気がなくなってきちゃったかしら?」

佐伯さんは、後ろから腰を突き動かしたまま、指のぐったりと横たわりかけたそれを手の中で転がしました。しかし、彼女の瞳には、同情など微塵もありません。むしろ、獲物が弱り始めたのを見て喜ぶ、サディスティックな艶っぽさが溢れていました。

「でもね、指くん。男の人には、もう一つの『初めて』があるの。……体力が尽きて、これ以上出せないって思ってからが、本当の快楽の始まりなのよ」

彼女はそう囁くと、弱々しくなった指のそれを再び力強く握り締めました。そして、先ほどよりもさらに速く、鋭く、火が出るような勢いで上下に激しくしごき始めたのです。

「ひ、あ、あぁっ……! 佐伯さん、もう……何も出ないです……っ、痛い、痛いくらい……っ!」

「いいのよ、出なくて。……神経を直接削るような、この痺れる感覚。これを覚えたら、もう普通のセックスじゃ満足できなくなるわよ?」

後ろからは、おもちゃの最大振動が指の「そこ」を執拗に突き上げ、前からは容赦のない摩擦が、敏感になりすぎた先端を執拗に攻め立てます。

射精するものが残っていないはずなのに、指の体は電気を流されたように激しく跳ね上がりました。お腹の奥が、焼けるように熱い。出すものがないからこそ、快感だけが逃げ場を失い、脳髄を直接突き刺すような、暴力的なまでの絶頂感が指を襲います。

「あ、あ、あああああああーーっ!!」

「指くん、見て……何も出ないなんて嘘。体は正直ね……」

佐伯さんは、指の意識が遠のくほどの極限状態にあるのを見計らい、後ろからの突き上げとおもちゃの振動を一点に集中させました。同時に、前をしごく手の動きを、皮膚が熱を持つほどの速さで、鋭く、短く叩きつけるような刺激へと変えました。

「あ、あ、あぁ……っ! お腹の奥が、変、なんです……っ! 何か、熱いのが、上がって……っ!!」

指の喉から、声にならない悲鳴が上がります。精液を出し尽くしたはずの身体。しかし、前立腺を執拗に抉られ、限界を超えて脳が焼き切れた瞬間、指の身体はかつてないほど激しく弓なりに反り返りました。

「ひ、あ、あああああぁぁぁーーっ!!」

ドクンッ、と下腹部が大きく跳ね上がったのと同時でした。 先端から溢れ出したのは、先ほどまでの白濁した粘り気のあるものではなく、水のように透明で、熱湯のように熱い、大量の液体でした。

それは脈打つ鼓動に合わせて、シーツを跳ね飛ばすほどの勢いで噴き出しました。

「あ、ああ、あぁ……っ! 何これ、止まらない、止まらないです……っ!!」

指は、自分の意志とは無関係に溢れ出し続ける熱い奔流に、ただただ圧倒され、失禁にも似た解放感と、全身の力が抜け落ちるような凄まじい絶頂に、白目を剥いてガクガクと身体を震わせました。

「ふふ、すごい……。指くん、これが『潮吹き』よ。男の子でも、こんなに綺麗に溢れるのね……」

佐伯さんは、自分の手と腕をびしょびしょに濡らすその透明な熱を、恍惚とした表情で見つめていました。精を搾り取られた後に訪れる、空っぽの身体が奏でる究極の絶頂。

指はそのまま、水浸しになったシーツの上に崩れ落ち、熱い吐息を漏らしながら、今度こそ完全に意識を快楽の海へと沈めていきました。

静まり返った部屋。佐伯さんは、ぐったりとした指くんの耳元で「明日、ちゃんと起こしてあげるからね……」と優しく囁きました。

                     完