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16歳の誕生日、指(ゆび)は決意していた。「今年こそは、この童貞を卒業……いや、せめて女子とまともに会話できるようになる!」と。

バケツをひっくり返したような豪雨が、アスファルトを激しく叩きつけていました。学校の帰り道、運悪く傘を持っていなかった指悠人は、駅前のアーケードまで走ることもできず、軒下で肩をすくめて立ち尽くしていました。制服のシャツはすでに肌に張り付き、16歳の華奢な身体に冷たさが染み込んでいきます。

「ちょっと、指くん! そんなところで何してるの?」

不意に頭上から降ってきた明るい声に顔を上げると、そこには同じコンビニでバイトをしている大学生の先輩、冴子さんが大きな傘を差し出していました。

「冴子さん……。すみません、油断してました」 「いいから入りなさいよ。うち、すぐそこだから。風邪引いちゃったらバイト代わりに出てあげないわよ?」

彼女の言葉に甘えて傘に入れてもらうと、狭い空間の中で、冴子さんの肩と自分の肩が何度もぶつかりました。彼女から漂う甘い香水と、雨の匂いが混ざり合い、悠人の心臓は嫌な音を立て始めます。

彼女のマンションに駆け込み、通された部屋は、女性の一人暮らしらしい清潔感と暖かさに満ちていました。冴子さんは「これ、弟のお下がりだけど」と言って大きなTシャツを貸してくれ、自分は手早くシャワーを浴びてバスローブ姿で戻ってきました。

「悪いわね、洗濯機回しちゃってて、これしか着るものなくて。……それより指くん、ちょっと助けてくれない?」

濡れた髪をタオルで拭きながら、冴子さんは床に置かれたノートパソコンを指差しました。

「レポート書いてる途中で固まっちゃったの。指くんって機械に強いでしょ? 名前も『指』だし、きっと器用なんだろうなーって」

そう言って笑う彼女に促され、指は床に座り込んでパソコンと向き合いました。しかし、狭いローテーブルを囲むように隣に座った冴子さんの距離は、外の雨音をかき消すほどに近く、彼女が動くたびにバスローブの裾から覗く白い素肌が、指の視界を激しく乱していきます。

マウスを握る自分の指先が、緊張でわずかに震えているのを、指は必死に隠そうとしていました。

「……よし、これでいけるはずです」

悠人はキーボードを叩く指先の震えを抑えながら、最後の実行コマンドを入力しました。何者かの操作ミスか、あるいはシステムの不具合か、起動に必要な重要なシステムファイルがいくつか消失していたのが原因でした。彼は持ち前の手先の器用さと、趣味で培った知識を総動員し、断片化したデータを一つひとつ拾い集めてはパズルのように組み直し、ようやくOSの修復を完了させたのです。

画面の中央で歯車が回り、見慣れたデスクトップ画面がパッと明るく広がりました。

「あ、映った! すごい、指くん! 本当に直っちゃった!」

隣で見守っていた冴子さんが、弾んだ声を上げて身を乗り出しました。その拍子に、彼女の柔らかな胸元が悠人の腕に押し付けられます。バスローブ越しとはいえ、伝わってくる確かな熱量と弾力に、指の思考は一瞬でショートしかけました。

「あ、えっと……大事なデータも、たぶん無事だと思います。一応、ファイルの整合性をチェックして、デスクトップのショートカットも整理しておきましたから……」

必死に冷静を装いながら説明を続ける指でしたが、集中力が切れた途端、室内の密度が急激に増したような気がしました。狭いローテーブルの下で、自分の膝と冴子さんの脚が、避ける隙間もなく密着しています。

「本当に助かったわ。指くんの指って、やっぱり魔法の指なんだね。あんなに複雑そうな画面、私だったら絶対お手上げだったもん」

冴子さんは感心したように、悠人の右手をひょいと持ち上げました。彼女の白く細い指が、自分の指に絡まるように触れます。

「……意外と、ゴツゴツしてて男の子の手なんだなって、今更思っちゃった」

上目遣いで覗き込んでくる彼女の瞳は、少し潤んでいるように見えました。風呂上がりの熱気のせいか、それとも外の雨音のせいか、彼女の吐息はどこか熱を帯びていて、悠人は繋がれた指先から全身が火照っていくのを感じていました。

「……あれ? 冴子さん、これ何ですかね。見慣れない名前のディレクトリが……」

作業を終えようとした指の視線が、デスクトップの隅に出現した一つのフォルダに止まりました。復元プログラムが修復したデータの中に、文字化けしたような、けれどどこか禍々しい雰囲気を感じさせる名前のファイルが混ざっていたのです。

「え? なにそれ、心当たりないけど……。ウイルスかな、開いてみて」

冴子さんに促され、指は深く考えずにマウスをダブルクリックしました。 瞬間に、高画質な動画プレイヤーが画面いっぱいに立ち上がります。

「あ……」

スピーカーから漏れたのは、低く、熱を帯びた男性の喘ぎ声でした。 画面の中では、鍛え上げられた上半身を剥き出しにした二人の男が、雨音すら消し去るような激しさで互いを求め合っていました。それは、いわゆるBLの実写版映画――それも、かなりハードで官能的な絡みのシーンだったのです。

指は、頭に血が上るのが分かりました。16歳の童貞である彼にとって、それはあまりに刺激が強すぎる映像でした。慌ててマウスを動かして閉じようとしますが、焦れば焦るほどカーソルが定まらず、画面の中では絡み合う指先や、濡れた唇のアップが映し出され続けます。

「ちょ、ちょっと、冴子さん! これ……!」

「嘘……! 友達に『おすすめの映画』って言われてデータでもらったやつ、これだったの!?」

冴子さんも顔を真っ赤にして叫びましたが、彼女は画面から目を逸らすどころか、あまりの衝撃に固まってしまったようでした。

狭い部屋の中に、男たちの荒い息遣いと、肌がぶつかり合う生々しい音が響き渡ります。 指は必死にキーボードを叩きましたが、運悪く先ほど修復したばかりのシステムが一時的な負荷でフリーズし、映像を止めることができません。

至近距離で、冴子さんの肩が震えているのが伝わってきました。 気まずさと興奮が入り混じった沈黙の中、指はふと、自分の手を握っていた冴子さんの指先に、ぐっと力がこもったのを感じました。

「ねえ、指くん……」

耳元で囁かれた彼女の声は、先ほどよりもずっと掠れていて、湿り気を帯びていました。

画面の中の光熱は、外の豪雨さえも蒸発させてしまいそうなほど生々しく、苛烈でした。 修復されたばかりのディスプレイには、一切の修正も隠し立てもない、逞しい男性器が剥き出しのまま映し出されています。それが別の男性の口内へと沈み込み、執拗に、そして深く喉を鳴らして愛撫される様が、高精細な映像で克明に記録されていました。

「……っ」

指は息をすることさえ忘れていました。16歳の彼がこれまで想像していた「性」の概念を遥かに超えた光景。手でしごかれるたびに粘膜が擦れる音、そしてついには、耐えきれなくなった一方が白い飛沫を激しく撒き散らし、腹部を汚していく射精の瞬間までもが、逃げ場のない大画面で再生され続けます。

部屋の中は、もはや雨の匂いなどどこかへ消え去り、むせ返るような気まずさと、妙な熱気に包まれていました。

「……すごい」

冴子さんの口から、ぽつりと小さな声が漏れました。彼女の手はまだ指の右手を握ったままでしたが、その握る力は、もはや無意識のレベルで強く、そして熱くなっていました。

「男の人って、こんな……こんな風になるんだ……」

彼女の視線は画面に釘付けになったまま、瞳は潤み、頬はリンゴのように真っ赤に染まっています。バスローブの胸元が、彼女の荒くなった呼吸に合わせて激しく上下していました。

指は、あまりの衝撃に動くことができずにいました。しかし、自分自身の身体の反応までは誤魔化せませんでした。16歳の瑞々しい身体は、目の前の過激な映像と、隣から伝わってくる年上の女性の肌のぬくもりに、正直すぎるほど反応してしまいます。

指の膝の上に置かれた右手に、冴子さんの柔らかい指先が、這うようにして絡みついてきました。

「ねえ、指くん。指くんの……『そこ』も、今、こんな風に熱くなってるの?」

彼女の視線が、ゆっくりと画面から外れ、指の股間へと向けられました。薄いTシャツ一枚の指にとって、その視線は物理的な熱を持って肌を焼くかのようでした。

指は、頭の芯が痺れるような感覚に陥っていました。ネットの掲示板や噂話で、こうした映像に出演する男性たちの「持ち物」は、一般人とは比較にならないほど立派で、規格外のサイズなのだという知識は一応持っていました。けれど、目の前で無修正のまま脈打ち、吐精を繰り返すその実態は、16歳の彼が抱いていた乏しい想像力を遥かに凌駕していました。

画面の中のそれは、まるで意思を持った生き物のように猛々しく、力強い。自分と同じ男の身体に、これほどまでに野生的で、それでいてどこか芸術的ですらある淫らな部位が備わっているという事実に、指は恐怖に近いほどの圧倒を感じていました。

「……こんなの、人間業じゃないよ……」

指の口から、掠れた呟きが漏れました。自分自身の股間に宿っている未熟な熱量とは、格も重みも違いすぎる。そう自覚すればするほど、逆に自分の身体の芯がズキズキと疼き、視線を逸らすことができなくなっていました。

隣では、冴子さんが生唾を飲み込む音が、はっきりと聞こえました。

「ねえ、指くん。画面の人もすごいけど……」

冴子さんの声は、先ほどよりも一段と低く、濡れた響きを帯びていました。彼女の指先が、指の手の甲をなぞりながら、ゆっくりと腕の方へと這い上がってきます。

「指くんは、まだ16歳でしょ? 若い子の身体って、こういう大人とはまた違う……瑞々しい熱さがあるんじゃないかなって、私、思っちゃった」

彼女の熱い吐息が耳たぶをかすめ、指の全身に鳥肌が立ちました。冴子さんの潤んだ瞳には、画面の中の巨根への驚きだけではなく、今、目の前で硬直している年下の少年の「反応」に対する、抑えきれない好奇心が混じり合っていました。

指は、逃げ出したいような、けれどこのまま彼女の熱に溶かされてしまいたいような、言いようのない衝動に支配され、ただ指先を震わせることしかできませんでした。

「指くんのが見たいな……。ねえ、見せてくれる?」

冴子さんの声は、まるで熱を帯びた蜜のように指の耳元に注ぎ込まれました。冗談めかしたいつもの調子ではなく、そこには明確な、一人の女性としての切実な熱情が混じっていました。

「え、っ……な、何を言って……っ」

指は、爆発しそうなほど激しく打つ心臓の音を抑えようと、思わず自分の胸元を掴みました。16歳の童貞である彼にとって、年上の女性から、しかもあんなに激しい映像を見た直後にそんな願いを口にされるなんて、想定できるはずもありません。

「だって、指くん……さっきからずっと、ここ、すごく苦しそうだよ?」

冴子さんの視線が、指の股間に張り付いたまま離れません。弟から借りたという少し大きめのスウェットパンツの上からでも、指が必死に隠そうとしていた「変化」は、隠しきれないほどはっきりと形を主張していました。

「だ、ダメです! そんな……冴子さん、変ですよ! 画面の人たちとは全然違うし、僕のは……その、あんなに凄くないし!」

指は顔を真っ赤にし、膝を抱え込むようにして必死に自分のモノを隠そうとしました。しかし、動揺すればするほど全身の血流は加速し、皮肉にも指の意思とは無関係に、そこはますます熱く、硬く昂ぶっていきます。

「いいの。指くんのが見たいの。あんな画面の中の知らない人じゃなくて、今、私の隣でこんなに一生懸命パソコンを直してくれた……指くんの熱いところ、触れてみたいんだよ?」

冴子さんは、床に座る指のすぐそばまで膝立ちで歩み寄ってきました。バスローブの裾が乱れ、彼女の白く眩しい太ももが、指の腕にぴたりと密着します。彼女の体温は、雨に濡れて冷えていたはずの指の身体を一気に沸騰させました。

「冴子さん……っ、困ります……そんな目で見ないでください……」

指は首を振りながら、潤んだ瞳で懇願しました。けれど、拒絶する言葉とは裏腹に、彼の身体は冴子さんから漂う甘い香りと、初めて向けられる女性の欲望に、抗いようのない喜びを感じ始めていたのです。

「あ……っ!」

指が断り文句を口にしようとした瞬間、冴子さんの白く柔らかな手が、迷いなくスウェットの布地越しに彼の中枢を捉えました。

逃げる暇もありませんでした。16歳の若さゆえに、そして目の前のあまりに過激な映像と状況に昂ぶっていたそれは、冴子さんの指先が触れた瞬間にドクンと大きく跳ね、彼女の手のひらにその存在感をはっきりと刻み込みました。

「……動いちゃ、だめだよ?」

冴子さんの声は、もう完全に年上の女性が持つ艶やかな響きに変わっていました。彼女の手は、ただ触れているだけではありません。スウェットの布越しに、指の昂ぶりをしっかりと、逃がさないように力強く掴んでいました。

「ひ、あ……冴子、さん……っ」

指は、雷に打たれたかのような衝撃に硬直しました。女性に、しかも憧れの先輩にそんな場所を掴まれるなんて、彼の人生のどのページにも書かれていない出来事でした。掴まれた場所から伝わってくる彼女の手の熱さと、握り込まれる感圧。指は頭の中が真っ白になり、指先一本動かすことさえできず、ただ浅い呼吸を繰り返すしかありません。

「指くん、ここ……すごく硬くなってる。あんなに困った顔してるのに、身体はこんなに正直なんだね」

冴子さんは、掴んだ手にじわりと力を込め、ゆっくりと、けれど確実にその感触を確かめるように指を動かしました。布が擦れる生々しい音と、彼女の掌の柔らかさが、指の理性を少しずつ削り取っていきます。

指は、自分が今どんな表情をしているのかも分かりませんでした。ただ、彼女の手のひらの中で自分自身が完全に掌握され、支配されているという圧倒的な事実に、抗う術を失っていました。

「ねえ、指くん。……もっと、よく見せて?」

冴子さんは指を掴んだまま、もう片方の手でスウェットのウエスト部分の紐に指をかけました。

「あ、っ……! さ、冴子さん……っ!」

指の喉から、今まで出したこともないような情けない声が漏れました。冴子さんの細い指先がスウェットのウエストの隙間を潜り抜け、下着の境界線さえも容易く越えて、彼の熱い肌に直接触れたからです。

布地という防壁を失い、女性の掌の吸い付くような柔らかさと、指先のひんやりとした冷たさが、昂ぶりきった熱源にダイレクトに伝わりました。指はあまりの刺激に背中を大きく反らせ、逃げようとしましたが、彼女のもう片方の手がしっかりと彼の肩を抱き寄せ、密着したまま離してくれません。

「……本当だ。すごく熱い。画面の人たちみたいに大きくはないかもしれないけど……指くんのは、こんなに一生懸命脈打ってて、可愛いね」

「かわっ……そんな、こと……っ!」

直接触れられる感触は、先ほどまでの布越しとは比較にならないほど鮮烈でした。冴子さんの指先が、先端の敏感な部分をうっすらと濡れた吐息のように撫で上げ、そこから根元に向かってゆっくりと、肌を這うように滑っていきます。

指は、自分の身体が自分のものではなくなっていくような感覚に襲われました。16歳の瑞々しい粘膜に、年上の女性の柔らかな指の腹が擦れるたび、脳内では快楽の火花が散り、意識が遠のきそうになります。

「ねえ、指くん。私の指、気持ちいい……?」

冴子さんは指の反応を楽しむように、握る強さを変えながら、執拗にその形をなぞり続けました。彼女のバスローブの隙間からは、上気した肌の熱い匂いとシャンプーの香りが混ざり合って漂い、指の理性を最後の一片まで溶かそうとしていました。

指は、彼女の腕の中で震えることしかできません。 「指(ゆび)」という名前を持ちながら、今、彼は自分自身の指先一つ動かす自由すら奪われ、ただ冴子さんの「魔法の指先」に、全てを委ねさせられようとしていました。

「あ……だめ、見ないで……っ!」

指の必死の抵抗も虚しく、冴子さんの手によってスウェットと下着は膝元まで一気に押し下げられました。雨上がりのひんやりとした空気が露出した肌を撫でたのも束の間、すぐにモニターの青白い光が、彼の「すべて」を残酷なほど鮮明に照らし出しました。

「……綺麗。本当に、綺麗なピンク色をしてるんだね」

冴子さんは感嘆の息を漏らしながら、食い入るように指のそこを見つめました。 16歳の若々しい粘膜は、映像の中の男たちのようなどす黒い色はしておらず、瑞々しく、透き通るような淡い桃色に染まっていました。熱を帯びてパンパンに張り詰め、脈打つたびにその色は深みを増し、先端からは透明な雫が今にも零れ落ちそうに輝いています。

「う、ぁ……あぁっ……」

指は両手で顔を覆い、羞恥に身を悶えさせました。けれど、隠されていない下半身は完全に冴子さんの支配下にあります。彼女は、その綺麗な色に魅入られたように、再びそっと指先を伸ばしました。

今度は、ただ握るだけではありません。 親指の腹で、一番敏感な先端の括れを円を描くようにじっくりと、そして執拗に擦り上げました。

「ひぅっ……! さ、冴子さん、そこ……っ、あつい……っ!」

「ここ、気持ちいいの? こんなに色が変わって……指くんの指より、こっちのほうがずっと正直に動いてるよ」

冴子さんの愛撫は、容赦なく速度と熱を増していきました。掌全体で包み込み、上下にゆっくりと、けれど力強くしごき上げるたびに、グチュリという生々しい粘膜の音が部屋に響きます。 指の腰は、彼女の手の動きに合わせて勝手に跳ね、逃げ場のない快楽が脳を激しく揺さぶります。

画面の中のBL映画では、ちょうど男性が絶頂を迎え、白い飛沫を上げているシーンがループしていました。それと重なるように、指の視界も真っ白な光に包まれ始め、背筋に強烈な痺れが走り抜けます。

「冴子、さん……僕、もう……おかしく、なっちゃう……っ!」

指の限界は、もう目と鼻の先まで迫っていました。

「あ……っ、だめ、もう、出ちゃう……っ! 冴子さん、あ、あぁっ!」

指の言葉が悲鳴に変わった瞬間、背筋を突き抜けるような凄まじい衝撃が彼を襲いました。16年間、大切に、そして未熟に守られてきた種火が、年上の女性の柔らかな指先によって一気に爆発させられたのです。

ドクン、ドクンと、身体の芯が激しく脈打ちます。 「ひ、あぁっ……!」

指の意思とは無関係に、熱い飛沫が勢いよく空間に放たれました。それは画面の中の映像に負けないほど鮮烈で、瑞々しい生命の証でした。

一度、二度、三度。 真っ白な液体は放物線を描き、自分の腹部だけでなく、それを握っていた冴子さんの白く細い指先、そして彼女が着ていたバスローブの胸元にまで、熱を持ったまま点々と飛び散りました。

「……っ、ふぅ、あ……っ、はぁ……」

指は力なく後ろに手をつき、肩を激しく上下させました。頭の中は真っ白な霧が立ち込めたようで、今自分が何をしたのか、何が起きたのかも判然としません。ただ、先ほどまであれほど苦しかった熱が、切ないほどの解放感と共に体外へと流れ出していったことだけを、痺れるような余韻の中で感じていました。

静まり返った室内には、雨音と、二人の荒い呼吸だけが響いています。

「……ふふ、すごい。指くん、こんなにたくさん……。本当に一生懸命だったんだね」

冴子さんは、自分の指や胸元に散った白い汚れを拭おうともせず、うっとりとした表情で、放心状態の指を見つめていました。彼女の指先には、まだ指が放出したばかりの熱い余韻が、糸を引くように絡みついています。

指は、恥ずかしさで顔を上げることもできず、ただ自分の太ももに飛び散った汚れを見つめながら、小刻みに震えていました。16歳の童貞を捨てたわけではない。けれど、それ以上に決定的な何かを、この雨の日の午後、憧れの先輩の部屋で失ってしまったような気がしていました。

「……ねえ、指くん。まだ、拭いちゃだめだよ?」

冴子さんはそう言うと、汚れのついた自分の指先を、ゆっくりと自分の唇へと近づけていきました。

「……っ、冴子さん、何して……っ!」

指が呆然と見守る中、冴子さんは自分の指先に付着した白濁した熱を、まるで高価な香水のテイスティングでもするかのように、鼻先へと近づけました。

「ふーん……。指くんの匂い、なんだか甘酸っぱくて、凄く若々しい匂いがする……」

彼女はうっとりと目を細めると、その指先をもう片方の手で弄り、粘り気を確認するようにヌチャリと音を立てて擦り合わせました。その仕草一つひとつが、16歳の指にとっては刺激が強すぎて、一度は果てたはずの身体が再び熱を帯びていくのが分かります。

しかし、驚愕はそれで終わりませんでした。 冴子さんは膝立ちのまま指の股間へと顔を寄せ、今しがた放出したばかりで、まだ敏感に震えている彼の先端へと、その艶やかな唇を近づけたのです。

「あ……待って、汚いです! 冴子さん……っ!」

指が止める間もありませんでした。 熱く湿った感触が、一気に彼の中枢を包み込みました。冴子さんは、散らばった飛沫を「お掃除」するかのように、丁寧に、そして深く、指のそこを口内に含んだのです。

「んっ……ジュ、チュ……レロ……ッ」

口腔内の未知なる熱さと、舌が裏側の筋をなぞり上げる生々しい感触に、指の腰がガクガクと震えました。彼女が吸い上げるたびに、耳の奥まで届くような激しい水音が部屋に響き渡ります。

「ひ、あぁっ……! 冴、子さん……だめ、そこ……ッ!」

掃除と言いながらも、その舌使いはあまりにも官能的で、熟練した女性のそれでした。指は自分の顔がこれ以上ないほど熱くなるのを感じ、同時に、彼女の口の熱によって、再び自分のモノが力強く反り返っていくのを感じていました。

冴子さんは顔を上げると、口元に糸を引かせながら、いたずらっぽく微笑みました。

「……ねえ、指くん。お掃除だけじゃ、足りなくなっちゃった。……もう一回、今度はもっと深く、最後まで愛してあげようか?」

彼女の瞳は、モニターのBL映画以上に激しい欲望の色で揺れていました。16歳の指悠人にとって、本当の意味での「大人への階段」は、まだ始まったばかりだったのです。

「あ……っ、冴子さん、もう……っ!」

指の限界は、理性の堤防が決壊するのと同時でした。彼が何かを言いかける前に、冴子さんの手は驚くほど手際よく、彼のTシャツを脱がせ、すでに膝まで落ちていたスウェットを完全に蹴り飛ばしました。16歳の無垢で瑞々しい裸体が、雨上がりの湿った室温に晒されます。

しかし、驚くのは指の方でした。冴子さんは自らのバスローブの帯に手をかけると、迷いなくそれを肩から滑り落としたのです。

「指くん……私のことも、ちゃんと見て?」

目の前に現れたのは、柔らかな曲線を描く大人の女性の裸体でした。豊かな胸の膨らみ、引き締まったくびれ、そしてその下に広がる、未知なる禁断の園。指はあまりの眩しさに息を呑みましたが、冴子さんは彼の後頭部を優しく、けれど拒絶を許さない力強さで引き寄せました。

「ここ……舐めて。指くんの魔法の舌で、私を壊してよ」

「ひ、あ……っ」

強引に引き寄せられた指の顔は、彼女の股間へと深く押し付けられました。 そこからは、石鹸の香りと混ざり合った、女性特有の濃厚で熱い匂いが立ち上っていました。鼻先をくすぐる柔らかな質感と、溢れ出したばかりの蜜の熱。指はパニックになりながらも、目の前のあまりに淫らな光景と匂いに、16歳の剥き出しの本能を激しく突き動かされました。

「……んっ、指くん、もっと……。ほら、そこだよ……っ」

冴子さんが腰をわずかに浮かせ、さらに指の顔を「そこ」へと密着させます。指は、自分の唇に触れる熱い粘膜の感触に、頭の芯が溶け落ちるような感覚を覚えました。

童貞の彼にとって、それは教科書にもネットにも載っていない、衝撃的で甘美な実体験でした。指は恐る恐る、けれど抑えきれない好奇心と欲望に従って、彼女の熱の源へと、自分の舌を伸ばしていきました。

「……あ、あぁっ……! 指くん、上手……っ、あぁっ!」

冴子さんの艶やかな声が、雨音をかき消すように響き渡ります。

指の顔が彼女の最も柔らかな場所に埋もれる一方で、冴子さんの手は再び、再起したばかりの指の熱源をしっかりと握りしめていました。

「ん、っ……あ、ああぁっ……!」

指が夢中で舌を動かし、未知なる蜜の味を確かめるたびに、冴子さんの身体は弓なりに反り上がりました。彼女は指の後頭部を強く抱き込み、自身の熱を押し付けるようにして腰を激しく震わせます。

「すごい……指くん、指だけじゃなくて、舌まで……魔法みたい……ッ!」

冴子さんの悲鳴のような喘ぎ声が、狭い部屋にこだましました。彼女は一気に頂点へと突き上げられ、指の顔を濡らすほどの熱い奔流とともに、一度目の絶頂を迎えました。しかし、彼女の欲望はそれだけでは収まりません。

「まだ……まだ、やめないで……指くん、もっと……っ」

彼女は再び指のモノを口内に深く迎え入れ、今度は指の動きに合わせるように激しく、そして深く喉を鳴らしました。

相互に与え合う、逃げ場のない快楽の連鎖。 指は彼女の熱い吐息と口腔の締め付けに翻弄され、一方で自分の舌先が捉える彼女の震えに、かつてない支配感と充足感を覚えていました。16歳の若々しい精気は、年上の女性の円熟したテクニックによって、瞬く間に沸点へと導かれていきます。

「あ、あ、っ……冴子さん、出る、また出ちゃう……ッ!」

「……っん、んんっ!!」

冴子さんは指の言葉に応えるように、さらに深く、根元までをその熱い口内へと飲み込みました。

次の瞬間、指の身体は激しく弾けました。 先ほどよりもさらに濃密で、熱い塊が、冴子さんの喉の奥へと直接叩きつけられます。 「あぁぁぁ……ッ!!」 指が声を枯らして絶頂するのと同時に、冴子さんもまた、指の舌が与える刺激に耐えきれず、二度、三度と、短い悲鳴を上げながら白目を剥いて果てていきました。

指の放った熱は、すべて彼女の口の中へと吸い込まれ、彼女はそれを一滴もこぼさぬよう、喉を鳴らして飲み込みました。

嵐のような静寂が訪れ、二人は重なり合ったまま、床の上で荒い息を吐き続けていました。モニターではまだBL映画の男たちが絡み合っていましたが、今の二人にとって、それはもう遠い世界の出来事のように感じられました。

「……ふふ、指くん。最高の……誕生日プレゼントになっちゃったね」

冴子さんは上気した顔で微笑み、指の額に優しくキスをしました。 16歳の少年、指悠人の長い一日は、雨音に包まれた秘密の部屋で、甘く、淫らな余韻を残しながら更けていくのでした。

その言葉を聞いた瞬間、指の思考は、絶頂の余韻とは別の意味でフリーズしました。

「え……? 冴子さん……今、なんて……」

肩で息をしながら、指はおそるおそる彼女の顔を覗き込みました。 あれほど大胆に自分を導き、モニターの過激な映像にも負けないほど淫らな声を上げていた彼女。バイト先の頼れる、大人の余裕に満ちた先輩。

けれど、至近距離で見つめ返す冴子さんの瞳は、先ほどまでの情熱的な潤みとは別に、どこか幼く、壊れ物を扱うような震えを帯びていました。

「……気づかなかった? 私、あんなビデオ……友達に渡されるまで見たこともなかったし。男の人に……こんなことするのも、初めてだったんだよ」

彼女はそう言うと、顔を真っ赤にして指の胸元に額を押し付けました。

「だって、指くんがあまりに可愛くて、一生懸命で……。私も、初めてをあげるなら、指くんみたいな人がいいなって……思っちゃったんだもん」

指は絶句しました。 自分が「初めて」を捧げられたという事実。しかも、彼女は自分に合わせるために、あの過激な映像を必死に手本にしようとして、あんなに大胆に振る舞ってくれていたのです。

「冴子さん……僕、そんなこととは知らずに……あんなに、めちゃくちゃに……」

指の右手が、今度は自分の意思で、そっと彼女の細い肩を抱き寄せました。 16歳の彼にとって、それは「ラッキースケベ」という言葉では片付けられない、あまりに重く、そして愛おしい責任へと変わった瞬間でした。

「……ねえ、指くん。お掃除だけじゃなくて。……最後まで、ちゃんと教えてくれる?」

彼女が顔を上げると、その頬には涙の跡のような一筋の雫が、モニターの光を反射して輝いていました。

「指(ゆび)」という名を持つ少年は、今度は自分を弄ぶためではなく、彼女の初めてを優しく守り、そして切り拓くために、その震える指先を、彼女のまだ誰も触れたことのない「真実の場所」へと伸ばしていきました。

「……あ」

指が彼女の真実の場所に触れようとしたその時、ふと冷や水を浴びせられたような感覚に襲われ、動きを止めました。16歳の彼でも、保健体育の授業や断片的な知識として、絶対に忘れてはならない「準備」があることを知っていたからです。

「あの、冴子さん……僕、持ってないです。……その、ゴム」

指の声は情けなく震えていました。16歳の少年が、学校帰りにそんなものを持ち歩いているはずもありません。ましてや、今日はただの雨宿りのつもりだったのです。

冴子さんは一瞬、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしましたが、すぐに顔を伏せて、消え入りそうな声で呟きました。

「……私も、あるわけないよ。だって、今まで必要なかったんだもん」

沈黙が二人を包み込みました。モニターの中では相変わらず無機質な快楽の音が響いていますが、現実の二人の間には、初めて同士ゆえの戸惑いと、避けては通れない現実の壁が立ちはだかりました。

「ごめんなさい、冴子さん。僕、名前は指なのに……肝心な時に、何もできなくて」

指が申し訳なさに押し潰されそうになりながら手を引こうとした、その時です。冴子さんが、指のTシャツの裾をギュッと強く掴みました。

「……やだ。やめないで!」

「え……?」

「今日、雨すごいから……買いに行けないし。でも、もう、こんなに熱いのに……指くん、私を一人にしないで」

彼女の潤んだ瞳が、真っ直ぐに指を射抜きました。処女である彼女が、どれほどの勇気を持ってその言葉を口にしたか、指には痛いほど伝わってきました。

「……指くん。指くんなら、いいよ。……私、指くんのこと、信じてるから」

それは、16歳の少年にはあまりに重すぎる、けれどこの上なく甘美な「許可」でした。指は、自分の心臓がこれまでにないほど激しく脈打つのを感じました。

「……分かりました。冴子さん、僕……絶対に、冴子さんのこと大切にします」

指は意を決し、彼女を壊さないように、けれど男としての決意を持って、再び彼女の身体を抱き寄せました。

ゴムがないというリスク、そして初めてという痛みと不安。それらすべてを飲み込んで、二人は互いの体温を、より深く、より密接に重ね合わせようとしていました。指は、自分の名前の通り、その器用な指先で彼女の緊張を丁寧に解きほぐしながら、ゆっくりと、最後の一線を越える準備を始めました。

「……もう、止まれません」

指は、自分を信じきった瞳で見つめてくる冴子さんを抱きしめ、覚悟を決めました。すでに二回も放出した後で、身体は芯から痺れるような倦怠感に包まれていましたが、目の前の彼女の熱い吐息が、それ以上の猛烈な衝動を呼び覚まします。

「二回も出したから、次は……そんなに、濃くないと思うし。だから……っ」

自分に言い聞かせるような指の震える声を、冴子さんは優しい抱擁で受け止めました。

「いいよ、指くん。……全部、私の中にちょうだい」

その言葉が最後の一押しとなりました。指は、彼女のまだ硬く閉じている秘所へと、自分の昂ぶりをゆっくりと、慎重に宛がいました。初めて同士の不器用な接触。粘膜が触れ合う生々しい熱に、二人は同時に「ひっ……」と短い息を呑みました。

「冴子さん、痛かったら、すぐ言ってください……」

指は彼女の頬を両手で包み込み、一寸ずつ、慈しむように進んでいきました。処女である彼女の身体は、未知の侵入に対して本能的に震えていましたが、指の優しい愛撫と、名前通りの繊細な指使いが、彼女の緊張を少しずつ溶かしていきます。

やがて、決定的な抵抗を越え、指は彼女の最深部へと到達しました。

「あ、あぁぁ……っ、指くん、すごい……熱い……っ」

冴子さんは指の背中に爪を立て、初めて知る「完全な結合」の衝撃に涙を浮かべながらも、幸せそうに微笑みました。指もまた、彼女の体内に包み込まれる圧倒的な幸福感に、視界が熱く歪みます。

若さゆえの無鉄砲さと、初めての愛しさが混ざり合い、二人の腰は自然とリズムを刻み始めました。二回出した後のはずなのに、彼女の吸い付くような内壁の熱は、指のナカを再び限界まで膨張させていきます。

「あ、あ、っ……冴子さん、また……くる、っ!」

「いいよ……出して、指くん。私の中に……あなたの印、つけて……っ!」

二人の鼓動が一つに重なり、外の豪雨をかき消すような激しい喘ぎが最高潮に達した瞬間。 指は、今日一番の衝撃とともに、彼女の奥深くへと、三度目の、そして最も熱く濃密な証を注ぎ込みました。

「あぁぁぁ……ッ!!」

薄いなんていう予想は外れ、溢れんばかりの熱が、彼女の処女の腔内を白く染め上げていきました。

賢者タイムのような静寂の中、二人は繋がったまま、互いの汗の匂いと雨の匂いを感じていました。16歳の指悠人と、大学生の冴子さん。バイト先の先輩後輩という関係は、この日、一生消えることのない深い絆へと変わったのでした。

二人の体温が少しずつ落ち着きを取り戻した頃、冴子さんが少し恥ずかしそうに、でも愛おしそうに指の首筋に顔を埋めました。

「……指くん、体中すごい汗。それに、あちこち汚れちゃったし……一緒にお風呂、入ろ?」

その提案に、指の心臓は再び跳ね上がりました。先ほどまであんなに大胆なことをしたはずなのに、改めて「一緒にお風呂」と言われると、16歳の純情な部分が顔を出してしまいます。

湯気が立ち込める狭い浴室。二人の裸体が再び密着しました。 冴子さんがシャワーを手に取り、指の体に付着した自分たちの愛の証を、優しく洗い流していきます。

「ふふ、指くん。さっきはあんなに凄かったのに、今はまた可愛い顔に戻っちゃったね」

彼女の白い指先が、石鹸の泡と一緒に指の胸板や、まだ熱の冷めやらない股間をなぞります。滑らかな泡の感触と、濡れて艶めく冴子さんの肌。視覚と触覚のダブルパンチに、指の身体は三度の絶頂を経たはずなのに、またしても正直な反応を示し始めていました。

「あ……冴子さん、またそんな風に触ったら……」

「いいよ。だってお風呂場なら、さっきみたいに汚れを気にしなくていいでしょ?」

冴子さんはシャワーを壁に掛け、泡にまみれたまま指の首に手を回しました。濡れて重たくなった彼女の髪が指の肩に触れ、甘い香りが湯気と共に鼻腔を突き抜けます。

彼女は指の耳元で「今度は、私が上になってもいいかな?」と熱い吐息を漏らしました。

指は、彼女の濡れた腰を引き寄せ、浴室の壁に背中を預けました。 タイルを叩くシャワーの音と、外で降り続く雨の音が重なり合う中、二人は再び、深く、熱く溶け合っていきました。

一回目よりもずっとリラックスして、お互いの肌の感触を慈しむような抱擁。 指は、自分の名前の通り、その器用な指先で彼女の濡れた肌を愛撫し、冴子さんもまた、初めての喜びを噛みしめるように彼を強く受け入れました。

雨はまだ止みそうにありませんでしたが、二人の心は、この密やかな熱帯夜の中に完全に溶け合っていました。

                    
                  完

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