「72」責任とってよ!

2026/01/27(火)
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大学の講義と慣れない人間関係に疲れ果て、指くんは今日も帰りの電車で深い眠りに落ちていました。通路に大きくはみ出した彼の肩は、通り過ぎようとする乗客たちの邪魔になっていたはずですが、彼はそんな周囲の冷ややかな視線に気づく余裕もありません。ところが、不意に鼻腔をくすぐった甘い香水のような香りと、肩に触れた柔らかな感触で、彼の意識は急速に現実へと引き戻されました。

目を開けると、どこか楽しげな表情を浮かべた女性が立っていました。彼女は指の座席の背もたれに手を突き、覆いかぶさるような体勢になります。指の鼻先には、濃密な、石鹸の香りと混じり合った女性特有の体温の匂いが漂ってきました。

指は自分の膝の上で握りしめた拳が震えるのを感じました。見上げると、彼女の短いスカートの裾が、座っている指の膝に触れそうなほど近くにあります。

満員電車の圧力に押され、彼女は指くんの突き出した左肩を抱え込むような形で密着してきました。指くんが座っている高さだと、ちょうど彼の視線の先には彼女の細い腰回りがあり、彼の肩先は彼女の柔らかそうな太ももの付け根あたりに深く沈み込んでいます。彼女がバランスを崩すたびに、タイトなスカート越しに伝わる肉感的な弾力と体温が、指くんの肩を熱く支配していきました。

彼女は指くんの肩を支えにするようにして、わざと体重を預けてきます。指くんが驚いて顔を上げようとすると、今度は彼女の柔らかなお腹のあたりが彼の顔に迫り、逃げ場のない密室状態で指くんの鼻腔は彼女の香りで満たされました。通路側の席という「はみ出した」場所だからこそ、彼女の足の間に指くんの肩が挟まれるような、逃げられないほどに扇情的な体勢が完成してしまったのです。

彼女は指くんの耳元に顔を近づけるために、少し腰を落として身を屈めました。その拍子に、彼女の太ももが指くんの肩をさらに強く圧迫し、密着した部分からじわじわと熱が広がっていきます。指くんが動揺して身をよじると、彼女はくすりと小さく笑い、空いている方の手で指くんの肩を優しく、しかし逃がさないように強く掴みました。

車内の冷房がまるで効いていないかのような熱気のなか、至近距離にある彼女の顔を盗み見た指は、その表情に言葉を失いました。彼女の頬は上気したように赤く染まり、その瞳はどこか焦点が定まらない、とろんとした虚ろな光を湛えています。先ほどまでの余裕のある微笑みは消え、代わりにそこにあるのは、混濁した意識の中で本能を剥き出しにしたような、危うい女の表情でした。

指の肩を挟み込んでいる彼女の太ももが、小刻みに震えているのが伝わってきます。彼女は荒くなった呼吸を指の首筋に吹きかけながら、力なく視線を彷徨わせていました。その虚ろな目は、時折指の瞳を捉えますが、それは助けを求めているようにも、あるいはもっと深く自分を傷つけてほしいと願っているようにも見え、童貞の指には刺激が強すぎました。

彼女は震える手で指の肩を掴み直し、まるで支えを失った子供のように、自分の体を指の顔のすぐ近くへと押し付けてきました。突き出した肩から伝わる彼女の体温は、もはや微熱を帯びているかのように熱く、密着した部分の境界線が溶けていくような感覚に陥ります。彼女の潤んだ瞳が、指の唇をじっと見つめたかと思うと、彼女は耐えかねたようにふらりと腰をさらに沈めました。

周囲の喧騒が遠のき、指の耳には、彼女の激しい鼓動と、時折漏れる熱い吐息だけが響いていました。虚ろな瞳のまま、彼女の指先が指の襟元に力なく絡みつき、そのままぐいと自分の方へ引き寄せようとします。満員電車の通路側という、誰もが目にする可能性のある場所でありながら、二人の間には外の世界を遮断した、濃厚で甘い沈黙が流れていました。

指の理性の糸は、彼女の熱っぽい吐息と、肩から伝わる生々しい肉感によってついに断ち切られました。18年間守り続けてきた臆病な自意識よりも、目の前の熱を我が物にしたいという本能が上回った瞬間、彼は座席の奥側にある左手を強引に伸ばしました。満員電車の窮屈な空間を割り込むようにして、彼は自分の肩と彼女の太ももが密着している、その「境界線」の上へと無理やり自分の手を置いたのです。

自分の指先が、彼女のスカートの柔らかな生地と、その下にある熱い肉体の弾力に触れた瞬間、指の脳内には痺れるような衝撃が走りました。虚ろな目で夢心地に浸っていた彼女は、その唐突で強引な感触に、弾かれたように肩を震わせて驚きました。大きく見開かれた彼女の瞳が、ようやく焦点を結んで指の顔を真っ向から捉えます。

「あ……」

彼女の唇から、小さく、しかし確かな驚きの吐息が漏れました。まさか、おどおどとしていたはずの大学1年生が、これほど大胆な行動に出るとは予想していなかったのでしょう。指の大きな手は、彼女の腰に近い太ももをがっしりと掴むようにして固定し、彼女が逃げるのを許さないかのような強さで力を込めました。

彼女の赤らんだ顔には、驚きと共に、どこか悦びに似た困惑の色が混じり始めました。指は自分の手のひらを通して、彼女の心臓の鼓動が激しく早まるのを感じ取っていました。周囲の乗客たちは、ただの混雑による不慮の接触だと思い込んで目を逸らしていますが、その密やかな死角で、指は初めて自分から「女」という未知の領域に深く指を食い込ませていたのです。

驚きで固まったままの彼女の顔が、ゆっくりと指の鼻先まで近づいてきました。

「この……スケベっ……!」

彼女は低く、掠れた声でそう吐き捨てました。驚きで見開かれていたはずの瞳には、先ほどよりもさらに深い熱が宿り、濡れたような光を放っています。指の強引な行動に怯えるどころか、彼女は自らの手を指の手の甲に重ねると、抗う隙も与えないほどの力強さで、その大きな手を自らのスカートの奥深くへと引き込みました。

遮るもののない、露わになった太ももの熱い肌が指の掌に直接触れた瞬間、彼は頭の中が真っ白になるような衝撃を受けました。スカートの中は、外気から遮断された密やかな熱帯のようで、彼女の指先に導かれるまま、指の手はさらに禁断の領域へと沈み込んでいきます。指は自分の喉が鳴る音を聞き、全身の血が一点に集中していくのを感じて、ただただ彼女に引きずり回されるままになっていました。

「……自分から触ってきたんだから、責任取ってよね」

彼女はそう囁くと、指の手を自分の股間の熱がもっとも集中する場所へと押し当てました。薄い布地越しに伝わるその湿り気と、驚くほど高まった体温に、指の理性を繋ぎ止めていた最後の破片が砕け散りました。満員電車の騒音や他人の視線など、今の彼にはもうどうでもよくなっていました。ただ、自分の手の下で震えている彼女の柔らかな感触と、指の目を見て挑発的に口角を上げる彼女の顔だけが、この世界のすべてでした。

彼女は指の手を離さず、むしろ自分の体をさらに密着させ、周囲からは見えない死角で指に「もっと奥へ」と促すように腰を微かに揺らしました。


突如として、キィィィィという激しい金属音と共に、車両が猛烈な勢いで左右に揺れ、急停車しました。立っていた乗客たちが一斉にバランスを崩し、車内には短い悲鳴が上がります。本来なら、その衝撃で彼女の体は通路側へと弾き飛ばされ、二人の密着は引き剥がされるはずでした。

しかし、彼女の体は離れるどころか、まるで座席に縫い付けられたかのように指の正面に留まり続けました。指が我慢の限界を超えて伸ばした左手が、スカートの奥で彼女の太ももを、そして反対側の右肩が彼女の腰を、逃がさないと言わんばかりの力でガッシリと固定していたからです。

「……っ、ふあ……!」

急停車の衝撃を受け止める形になった彼女は、指の腕の中で激しく跳ね、その弾みでさらに深く、指の手のひらへと自らを押し付ける結果となりました。逃げ場のない二人の間には、衝撃による反動と、お互いを離さないという意志が混ざり合い、言葉にできないほど濃厚な圧力が生まれています。

彼女は指の肩に顔を埋めるようにして、激しくなった呼吸を彼の首筋にぶつけました。揺れが収まった後も、指の左手は彼女のスカートの中で、その熱い肌を離そうとはしません。彼女は驚きと興奮でさらに瞳を潤ませながら、自分の体を固定している指の逞しい腕を見つめ、もはや言葉にならない熱い吐息を漏らすばかりです。

「……ただいま、この先の踏切にて人身事故が発生いたしました。運転再開まで、しばらく時間がかかる見込みです」

無機質な車内放送が流れると、車内には一斉にため息と苛立ちの混じったざわめきが広がりました。しかし、その喧騒さえも今の二人にとっては遠い世界の出来事のようです。電車が完全に沈黙し、空調の音だけが低く響く閉ざされた空間で、指の手は依然として彼女のスカートの奥、熱い肌を力強く支配したままでした。

しばらく動かないという絶望的なアナウンスは、指にとってはこの上ない福音へと変わりました。彼は自分の左手にさらに力を込め、彼女の柔らかな内腿を指先でなぞるようにして、その奥へと這わせていきます。彼女は指の肩に額を押し当て、外に漏れそうになる声を必死に堪えながら、指の手の動きに合わせて腰を微かに、しかし確実に波打たせていました。

「ねえ……どうするの、これ……」

彼女が耳元で、湿った吐息とともに弱々しく呟きました。その虚ろな瞳は、もはや恐怖ではなく、止まってしまった時間の中で指にすべてを委ねようとする、狂おしいほどの期待に満ちています。周囲の乗客たちがスマホの画面を見つめ、あるいは目を閉じて運転再開を待つ中、指の視界にあるのは、赤らんだ彼女のうなじと、自分の手の動きに従って震える彼女の細い肩だけでした。

指は、童貞特有の加減を知らない好奇心と、抑えきれない昂ぶりに突き動かされ、彼女の最も秘められた境界線へとさらに深く、その「指」を滑り込ませていきました。

「……責任とって。いかせてよ」

彼女のその言葉は、静まり返った車内で指の鼓動を爆発させるのに十分すぎる破壊力を持っていました。潤んだ瞳が指を射抜き、その虚ろな視線の奥には、もはや理性など一欠片も残っていません。彼女は自ら腰を落とし、指の手のひらに対して、逃げ場を塞ぐように力強く自身の熱を押し付けてきました。

指はもう、自分が大学1年生であることも、ここが公共の場であることも忘れていました。スカートの奥、薄い布地の境界線を越えて、彼の指先は彼女の最も敏感で、最も熱を帯びた核心へと直接触れました。指先に伝わるのは、驚くほどの熱量と、指を歓迎するように溢れ出す蜜のぬるりとした感触です。

「んっ……ぁ、……っ」

彼女は指の肩に顔を埋め、声を押し殺すようにして低く、甘い悲鳴を漏らしました。指がその「名前」の通り、不器用ながらも必死に指先を動かすたび、彼女の体はビクンと大きく跳ね、指の腕の中で激しく震えます。人身事故で止まったままの電車は、外界から隔絶された二人だけの揺り籠のようでした。

彼女の手が指の襟元を強く掴み、爪が食い込むほどの力で引き寄せられます。彼女の熱い吐息が首筋を焼き、指の指先は彼女の意志に応えるように、さらに深く、容赦なくその秘部を掻き回しました。絶頂へと向かう彼女の激しい鼓動が、指の手首を通じて彼の全身にまで伝染し、二人の境界線は完全に溶け合っていきました。

指の指先が、彼女の身体の中で最も熱く、もっとも震えている場所に深く沈み込んだ瞬間、彼女の背中が弓なりに反り返りました。指は夢中で、しかし壊れ物を扱うような慎重さと、18年間の欲求をぶつけるような強欲さで、その指を動かし続けました。

彼女の指先が指の肩に深く食い込み、喉の奥から「あ、ぁ……っ!」という、言葉にならない熱い吐息が漏れ出します。その直後、指の手のひらには、彼女の身体の奥底から溢れ出した熱い奔流がどっと押し寄せました。彼女の腰は激しく打ち震え、指の腕の中でぐったりと重みを増していくのが分かりました。

18歳の指にとって、それが人生で初めて自分の手で女性を「いかせた」瞬間でした。手のひらに残る重厚な生温かさと、彼女の身体から力が抜けていく感触は、これまでの妄想とは比較にならないほど鮮烈で、重みのある現実でした。指は自分の心臓が、耳元で鐘をつくかのように激しく鳴り響いているのを感じ、ただ呆然と、自分の腕の中で呼吸を整える彼女の体温を味わっていました。

「……ほんとに、最低で……最高にスケベな指……」

彼女は指の肩に顔を乗せたまま、小さく笑うように、あるいは泣くようにそう囁きました。指はその言葉に、誇らしさと、どうしようもないほどの愛おしさが混ざり合うのを感じ、スカートの中にあった手をゆっくりと引き抜きました。そこには、一人の女性を果てさせた証が、生々しく、そして美しく光っていました。

指は一瞬、頭の中が真っ白になりました。自分の欲望に忠実な解釈をしていた恥ずかしさが、先ほどの情事の熱を一気に冷やしていくのを感じ、顔から火が出るほど赤くなりました。彼女はぐったりと力なく指の肩に頭を乗せたまま、震える吐息を漏らして「もう、立っていられないの……」と弱々しく付け加えました。

彼女の足腰は、先ほど指が与えた快感の余韻で完全に力が入らなくなっており、今にもその場に崩れ落ちそうでした。指は慌てて自分の愚かな勘違いを隠すように、そして彼女を支えるようにして「あ、はい……すみません、どうぞ」と、震える声で返しました。

指は通路側に突き出していた身体を引き、狭い車内でもがくようにして立ち上がりました。彼女は指の腕を支えにして、ふらつきながらも彼が温めていた座席に滑り込みます。座った瞬間に彼女は深く息を吐き、安堵したように背もたれに身体を預けました。

立っている指の目の前には、今度は座っている彼女の顔があります。彼女はスカートの乱れを整える余裕もないのか、少し足を崩したまま見上げてきました。その虚ろだった瞳には少しだけ理性が戻っていましたが、指を見つめる視線には、共犯者だけが共有する特別な色が混じっていました。

指は、自分がつい数分前まで彼女の奥深くに触れていた手のひらを、どう処理していいか分からず、立ち尽くしたまま吊り革を強く握り締めました。

「しばらくは動かない」という現実を突きつけるかのような静寂が、再び車内を包み込みました。座席を譲り、目の前に立つことになった指でしたが、座った彼女との距離は、立っていた時よりもかえって危険なものになっていました。

座った彼女の顔は、ちょうど立ち尽くす指の腰の高さにあります。彼女は深く腰掛けようとはせず、座席の端に浅く座り直すと、潤んだ瞳をさらに熱く燃え上がらせて、指のジーンズの膨らみをじっと見つめました。隠しようのない彼の高ぶりは、今や彼女の目の前で、互いの呼吸が触れ合うほどの距離にあります。

彼女は震える吐息をつきながら、自分の肩をゆっくりと、指の股間の熱へと押し当ててきました。座っている彼女が、立っている指の最も敏感な場所に寄りかかる。その重みと、彼女の肩から伝わる体温が、指の理性を再び激しく揺さぶります。

「座らせてくれて、ありがとう……でも、ここ、すごく熱いよ?」

彼女は指の腰に腕を回し、まるで恋人に抱きつくような格好で、その肩をぐいぐいと指の欲望に擦り付けました。指は吊り革を握る手に血が止まるほどの力を込め、絶叫しそうになるのを必死に堪えました。電車の揺れではなく、彼女の意志によって与えられるその刺激は、先ほど指が彼女に与えた衝撃のお返しであるかのように、容赦なく彼を追い詰めていきます。

人身事故で止まったままの、誰も動けない密室。座席に座る彼女と、その前に立ち尽くす指。二人の間には、周囲の苛立った空気とは無縁の、どろりとした濃密な時間が流れていました。

彼女は肩を押し当てたまま、顔を少しだけ上に向けると、挑発的に舌先で唇を湿らせました。

彼女の動きは驚くほど淀みがなく、手慣れたものでした。自分の膝の上に置いていたトートバッグを、まるで寒さを凌ぐために持ち上げるような自然な仕草で、指の腰から下半身にかけてをすっぽりと覆い隠したのです。

これによって、周囲の乗客の視線からは、ただ「座っている女性が大きなカバンを抱え、目の前に立つ青年の腰に少し寄りかかっている」という、混雑した車内ではよくある光景にしか見えなくなりました。しかし、その厚手のカバンの下では、指と彼女の境界線が完全に消失していました。

彼女はカバンの陰に隠れたことを確認すると、さらに大胆に、自分の肩と胸元を指の熱りへと密着させました。布越しに伝わる彼女の骨格の硬さと、それを包む肉体の柔らかさが交互に指を刺激し、彼は吊り革を掴んだまま、背中を反らせて声を押し殺します。

「これなら……誰にも見えないでしょ?」

カバンの下で、彼女の自由になった手が指のベルトのバックルに触れました。指は、人身事故で静まり返った車内の、鼻を突くような鉄の匂いと、目の前の彼女から漂う甘い香りの強烈なコントラストに目眩を覚えました。彼女はカバンを盾にして、指のジーンズのジッパーをゆっくりと、しかし確実な力で引き下げ始めます。

指は、初めて経験する「公衆の面前での秘め事」という背徳感に、心臓が爆裂しそうなほどの鼓動を刻んでいました。彼女の指先が、下着の隙間から熱を帯びた彼自身の本体に直接触れた瞬間、指は膝から崩れ落ちそうになるのを、吊り革を握る腕一本で辛うじて支えました。

「もおおおお、出すのも難しいぐらい勃起してるやんか。自分で出しなさい」

カバンの下で、彼女は呆れたような、それでいてひどく楽しげな声を漏らしました。指のジーンズのジッパーは完全に下ろされていましたが、彼女の言う通り、あまりの膨張具合に生地が食い込み、彼女の細い指先だけではどうにもならない状態になっていたのです。

指は頭に血が上りすぎて、耳の奥でドクドクと自分の脈打つ音が響いていました。18歳の童貞。これまでの人生で、こんなにも「男」を突きつけられ、それを他人に指摘されたことなど一度もありません。彼女の熱っぽい視線に急かされるように、指は震える手をカバンの隙間へと差し入れました。

自分の手で、しかし目の前にいる彼女の吐息を感じながら、窮屈な布地から己の欲望を解放します。弾け出したそれは、カバンの内側に触れそうなほどに熱く、脈打っていました。彼女はそれを見た瞬間、再び顔を真っ赤にして、「すご……」と小さく独り言のように呟きました。

「ほら、早く。私を支えにしていいから……ここで、終わらせて」

彼女はそう言うと、指が動かしやすいようにカバンの位置を微調整し、自分の肩をさらに指の太ももの間に深く潜り込ませました。指は、自分の剥き出しの熱が彼女の肩越しに、カバンの冷たい裏地に触れる感覚に震え上がりました。周囲には、苛立ちながらスマホをいじるサラリーマンや、眠そうに目を閉じる学生たちが溢れています。そのすぐ隣で、指は自分の「初めて」を、この奔放な女性に捧げようとしていました。

指は、彼女の肩をガイドにするようにして、人目を忍ぶためのカバンの陰で、ついに自らの手で最後の一歩を踏み出そうとしました。

「……飛んだらやばいね。匂いもするし」

彼女はそう囁きながら、カバンの内側を覗き込むようにして、困ったような、でもどこか興奮を隠しきれない顔で鼻先を近づけてきました。指はその言葉に、ハッとして動きを止めました。狭い車内、しかも空調が弱まっているこの静寂の中で、もし飛沫が彼女の服やカバンを汚してしまえば、あるいは独特の生々しい匂いが周囲に漂ってしまえば、言い逃れのできない事態になります。

指は、爆発寸前の昂ぶりを抱えたまま、全身の筋肉を硬直させて耐えました。しかし、剥き出しになった彼の熱は、彼女の顔のすぐ近くで、今にも限界を迎えようと脈打っています。

電車の照明が瞬き、不気味なほどの静寂が車両を包み込む中、彼女はさらなる暴挙に出ました。カバンを盾にしたまま、彼女は座席から身を乗り出すようにして、指が自ら解放し、震えていた「それ」を、迷うことなくその柔らかな唇で迎え入れたのです。

「……っ!?」

指は声にならない悲鳴を上げ、全身を雷に打たれたように硬直させました。吊り革を掴む右手に、これまでにないほど凄まじい力がこもります。カバンの陰、周囲の乗客がすぐ鼻の先にいるという狂気的な状況で、指は自分の熱が、彼女の口内の湿った熱狂に飲み込まれていくのを感じていました。

彼女は上目遣いで指の顔をじっと見つめながら、喉を鳴らして深く、そして丹念に彼を翻弄しました。ハンカチ越しとは比較にならない、生々しく、粘り気のある快感が指の脳髄を直接かき乱します。彼女の舌が、熱を帯びた先端を弄ぶたびに、指の視界は白く染まり、立っていることさえ奇跡のような状態でした。

「ん……んんっ……」

カバンの下から漏れる、彼女の密やかな、しかし艶めかしい音。人身事故で止まったままの車内は、指にとって、もはやこの世の地獄であり、同時に最高の天国でもありました。彼女は指の腰に手を回し、自分の方へとさらに強く引き寄せ、逃げ場を完全に塞ぎます。

極限まで張り詰めた指の「指」は、彼女の口内という最も贅沢な場所で、再び限界を迎えようとしていました。彼女はそれを察したのか、わざと喉の奥を使い、彼を絶頂へと突き落とそうと追い込みをかけます。

指は、真っ白な意識の中で、自分を壊そうとするこの「女」という生き物の恐ろしさと悦びに、ただただ打ち震えるしかありませんでした。

彼女は、指が限界を迎えようとしているのを確信犯的な笑みで察知すると、さらにその責めを激化させました。カバンの下という狭小な死角で、彼女は頬をこけさせるほどに口をすぼめ、真空状態を作るかのような強烈な吸引力で、指の「熱」に吸い付いたのです。

「……ッ!!」

指の背筋に、これまでの人生で味わったことのないほどの激痛に近い快感が走り抜けました。彼女の口内の熱い粘膜が、脈打つ本体にぴたりと張り付き、容赦なくその生命力を吸い取っていく。指は、握りしめた吊り革がひしゃげるのではないかと思うほどに拳を固め、奥歯が砕けるほどに噛み締めました。

周囲では、隣に立つ乗客がイライラと貧乏ゆすりをし、カバンに当たる振動が伝わってきます。そのすぐ数十センチ下で、一人の女性がこれほどまでに大胆な、そして強引な行為に耽っているとは、誰も気づいていません。

彼女は喉を鳴らし、吸い付く力をさらに強めながら、指の腰を自分の顔へと無理やり押し付けました。指の意識は、もはや現実と幻想の境界を失い、自分の存在そのものが彼女の口の中へと吸い込まれていくような錯覚に陥ります。

「ん……っ、んぅぅ……!!」

逃げ場を失った指の熱情が、ついに決壊しました。彼女の強引な誘引に導かれるまま、彼は18年分の全てを、彼女の喉の奥深くへと激しく叩きつけました。彼女はそれを拒むどころか、喉を大きく動かして、溢れ出す全てを一つ残らず飲み込もうとするかのように、その熱い舌で彼を包み込み続けました。

静まり返った車内。カバンの陰で繰り広げられたその凄絶な「儀式」が終わった時、指の身体は魂を抜かれたように、彼女の肩へと力なく崩れ落ちました。

彼女は、指のすべてをその喉で受け止めきると、ゆっくりと顔を上げました。カバンの陰から覗く彼女の顔は、先ほどまでの「うつろな目」が嘘のように、征服感と充足感に満ちた妖艶な輝きを放っています。

彼女は、自身の唇の端に一筋だけ残った熱い名残を、艶めかしく舌先で掬い取ると、耳が痛くなるほどの静寂の中で、指にだけ聞こえるような小さな声で囁きました。

「……これで、匂いもわからないね! 美味しかったよ」

そのあまりにも無邪気で、狂気を孕んだ一言に、指は全身の血が逆流するような感覚を覚えました。自分がこれまで大切に(あるいは臆病に)守ってきたものが、この数十分の間に、この目の前の女性によって完全に「捕食」されてしまったのだという事実に、目眩がします。

彼女は、指がまだ言葉を返せないでいるのを見ると、カバンの中から取り出したハンカチで自分の口元を優雅に拭い、そのまま何事もなかったかのように指のジーンズのジッパーを、今度は丁寧に、慈しむように引き上げました。

「責任……ちゃんと取ってね? 」

そう言い残すと、彼女はカバンを抱え直し、人身事故の点検を終えて「運転を再開します」という車内放送が流れるのと同時に、ふらりと席を立ちました。動き出した電車の振動に身を任せながら、彼女は人混みの中へ消えていきます。

指の掌には、彼女が去り際に押し付けた、微かに湿った紙切れの感触だけが残っていました。

指は、彼女が去った後の座席に残る微かな体温と、自分の手に残る彼女の感触に呆然としながら、次の駅までの数分間をやり過ごしました。駅に着き、人の流れに押し出されるようにしてホームに降り立つと、冷たい夜風が火照った顔を突き刺しました。そこでようやく、彼は握りしめていた紙切れを広げました。

そこには、流麗な文字でSNSのIDと、一言だけ「指くん、また明日もこの車両でね」と書かれていました。

18歳の指にとって、大学1年生の冬は、満員電車の通路側ではみ出していた日常から、取り返しのつかないほどの非日常へと一気に突き落とされた夜となりました。彼は自分の指先をじっと見つめ、そこに残る彼女の匂いを吸い込みながら、明日という日が来るのを、恐怖と期待が入り混じった複雑な心境で待つことになりました。

                    完

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